全18戦で構成された2023年のAFT: アメリカンフラットトラック選手権。通年シリーズもののモータースポーツとしてはかなり早々と、9月第1週の週末 (レイバーデイ・ウィークエンド) ・イリノイ州スプリングフィールドのマイル戦2レースで今期の終幕を迎えますが、トップカテゴリーであるスーパーツインズの年間チャンピオン争いは前節ラウンド16の終了時点でわずか1ポイント差。ここまで8冠獲得してきた円熟のチャンピオン・ミースと新鋭・ダニエルズの苛烈な戦いの行方や如何に?

おそらくミース、パーカーを超える10冠までスロットルを緩めないはず。

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。様々なレースレギュレーション変更・カテゴリー再編など、2017年以来勝ちに勝ちまくってきたインディアンFTR750に対し徹底的に制限を加え、なんとか各メイカー間のパフォーマンスの差を更正したいAFT運営側の思惑とは裏腹に、当初からファクトリーチームとは一定の距離を置き、独自のリサーチと実践によって弛まず戦績を積み重ね、レースナンバー1が定席となって久しい、ここまですでに8回のタイトルを獲得しているディフェンディングチャンピオンのジャレッド・ミース。

画像: おそらくミース、パーカーを超える10冠までスロットルを緩めないはず。

今期彼が9つ目のタイトルを手にすれば、本場アメリカのプロダートトラック界で "G.O.A.T. = Greatist of All Time" と評される往年の名ライダー、スコット・パーカーの持つ9冠の記録に並ぶことになりますが、おそらくジャレッドはその先にある史上初の10冠をも視野に、来たる伝統のマイル戦Wヘッダーに臨むことでしょう。1986年生まれの37歳、初のチャンピオン獲得が2009年、10代前半のアマチュア時代からしのぎを削ってきた、妻のニコールや同世代のライバルたちが徐々に現役フルタイムの選手活動から退いていくなか、息の長い成功を刻み続けるベテラン格の筆頭ライダーです。

相対するは20歳の新鋭+優れた開発能力を誇る名チームの最強MT-07!

そんなジャレッドにシーズンを通して肉薄するダラス・ダニエルズはプロデビュー5年目の21歳。2018年にAMAのアマチュア新人賞: ニッキー・ヘイデン・ホライゾン・アワードを史上初めてロードレース・フラットトラックの両部門でW受賞して翌年プロデビュー。2020・2021年には立て続けにAFTシングルス (2気筒カテゴリーへの登竜門的位置づけの450cc単気筒クラス) のチャンピオンを獲得して、昨シーズンからは潤沢過ぎるほどの豊富な資金力と、正にライトスタッフと呼ぶに相応しい人材を揃えたヤマハ系最有力チーム "エステンソン・レーシング" が独自に開発するMT-07ベースのオリジナルマシンを駆って最高峰スーパーツインズクラスに参加し、昨期は年間ランキング3位。

画像: 相対するは20歳の新鋭+優れた開発能力を誇る名チームの最強MT-07!

どちらが勝ってもおかしくないけど・・大一番の勝負の行方に大注目です!

AFTのレースポイント付与システムは1位25p、2位21p、以下18→16→15→14・・と続くやや変則的なもの。仮に1戦でもリタイアしてノーポイントに終わればその時点で勝負あった!ですが・・・。ホントにここ一番のレースでわずか数ドルのパーツが原因で涙を飲んだり、その時に限ってドライブチェーンが破断するとかってあるんですよねー。果たして次の週末に栄冠を手にするのはどちらでしょう?

個人的には年齢の近いジャレッド・ミースを推してますけど (2009年の彼の初王者獲得の瞬間にも運良く立ち会いました) いい加減インディアン以外がナンバー1プレート付けてるのを見たい気もしますよね!

画像: 今年のAFTはエステンソン・ヤマハの2人、インディアンのジャレッド、KTMのブライアー・バウマンしか勝っていません。"FTR750の封じ込め" はほぼ成功、と見て良いのかもしれません。

今年のAFTはエステンソン・ヤマハの2人、インディアンのジャレッド、KTMのブライアー・バウマンしか勝っていません。"FTR750の封じ込め" はほぼ成功、と見て良いのかもしれません。

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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