2輪ダートトラックレース = フラットトラックは基本的にスプリント競技。1周1分に満たない (時にはわずか10秒台) のトラックをわずか数周〜多くてもせいぜい25周で競うわけですから、ひとたび転べば勝機はほぼ完全に失われます。しかし転ぶか転ばないかギリギリのパフォーマンスで、競争相手直近に生まれたわずか数10cmのスペースまで踏み込んで走る場面もないとは限りません。勝ち負けという観点では転ばないのが最重要ですが、万が一転んだら何が起きるのか、あるいは転んだ直後の対応次第で大いにその後の明暗が分かれることについては、知っておいた方がよいかもしれません。

レース進行の妨げになるし勝てないので"転んではいけない"が基本ですけど

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。かつて10年ちょっと前まで北関東某所で活発に行われていたダートトラックレースのシリーズ戦では、その初期には転倒者が生じるとNASCARよろしくトラック上はフルコースコーション (レース中断・隊列を組んで徐行) してデブリの排除と転倒したライダーの復帰を待ち、一列縦隊のローリングスタートでレース再開、というある種の謎ルール (本国の2輪オーバルカテゴリーには存在しないフォーマットです) があり、転倒者が出るたびにレース進行が滞ってダレたり、ルールを逆手に?言わば悪用? (転んですぐ復帰するとほぼ周回遅れ→すぐに起き上がらなければフルコースコーション発動で隊列最後尾から再スタート可能) することができたりなんかして、本来の "転んだら負け" 方式 = スプリントレースならではのシンプル・シリアスなヒリヒリした魅力が半減だったものでした。

画像: レース進行の妨げになるし勝てないので"転んではいけない"が基本ですけど

あちら本場のプロレースでも、限界を超えたパフォーマンスの結果クラッシュを喫する場面はまま見受けられますが、写真のように転倒者はひっくり返った途端に後続の動きを確認する動作に入ることがほとんどですし、追走するライダーは前走者の転倒直前の怪しげな動きを察知するや全力で回避するモーションを起こします。転倒したって後続のマシンから逃れる術はゼロではありませんし、他者のクラッシュに巻き込まれて自身のレースを落とす (完走・ポイント獲得・スポンサーPRなどなど) のはどう考えても得策ではありません。

スポーツですし勝負事なので "不測の事態" は完全には排除できませんが

複数の要因と登場人物がいる限り、ほんのわずかの不運とか不手際が大きなアクシデントに発展する可能性は常にありますが、個人の回避スキルの向上とか万が一の場面のシミュレーションはとことん追求しておくのが、より長くこのスポーツを楽しむうえできっと重要なことだろうと思います。

画像: スポーツですし勝負事なので "不測の事態" は完全には排除できませんが

100〜200m級のショートトラックだからってダメージが少ないとも言い切れないんです。手足を轢かれれば折れますし、当たりどころが悪ければ・・・ね。過去にも目の前で色々ありましたもん。

私事ですが筆者ハヤシは幼少の頃、小学1年〜高校くらいですかね、柔術の道場に毎週通ってまして、そこの流派は受身の型が10種類くらいあってずいぶんしつこく練習させられたものなんですが、その経験が自身の2輪スポーツでの数限りない転倒でもかなり活きているようで、ほとんど大きな怪我をしたことがありません。無意識で身体が動くくらいには身に染み付いたアクションなので、頭で理解するだけで誰でも簡単にできるのかはちょっとわからないんですが・・・。

画像: 【受け身】転倒スタントで「転がる」を身につける www.youtube.com

【受け身】転倒スタントで「転がる」を身につける

www.youtube.com

自転車ですけど解り易い解説動画があったのでご紹介しておきます。知っておくだけでも歩いてトラックを後にできるか、翌週また走れるか、あるいは否か、くらいの差はありそうな気がしますよ。

お日柄も良さそうな大型連休後半ですが、皆さまどうぞご安全に。
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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