新しい世界に足を踏み入れる鳥羽口 (とばぐち: 入口) として、身ひとつでの気軽な体験の機会・手取り足取りのスクーリング・・・といった類の "入門コース" が用意されることはしばしばありますが、筆者ハヤシが "牧場主" となる新たなトラックでも、そのようなチャンスは得られるのですか?と、複数の一般の方から熱心なお問い合わせをいただいています。えーっとすいません、まだ当面は "地ならし段階" なんですけどね。うーんどうだろう?今そっち方面に熱烈な興味あったかな、私。

"見たときないヒト" にかるーく経験してもらうのってそう簡単じゃない

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーター/プライベートトラックオーナーのハヤシです。いよいよ名義も変わって今度の連休から我が領地での "新たなぼうけんのたび" が始まりそうなんですが (大袈裟・・・?) 、今年のGWはどうやら空模様があまり芳しくないようですね。まぁ自分ちなのでいつでも遊べますからコロコロ変わる天気予報に一喜一憂、ということもあまりないんですけど。気持ち的にのんびり?というか精神衛生上とてもいいなぁ。

さて、新トラック獲得について話題にして以来、そちらでスクールやる予定はありますか?というお問い合わせを多数、両手2回ほど頂戴しています。都心から小一時間の好立地・ダートトラッカーがダートトラッカーのために誂える希有な場になること間違いなしの "エリア21" だもので、高まる期待と興奮に押し潰されそう (嘘です) なくらい有り難いお声がけなのですが・・・。どうなんでしょう?そんなに需要ありますかね?

一切合切こちらで揃えて手ぶらで体験させるのって、結構大ごとです。まぁ貸し出す車両とか装具とか予約管理に纏わるアレコレなどの初期投資は必須として・・・それを回収するファイナンシャル・プランを事前に綿密に立てるのは当然ながら、こちらとしてはその初体験後、受講された方がやがてシーンに定着し、エントリー代金を握りしめてトランポぶっ飛ばしてレース会場に現れ、次ヒートのウェイティングゾーンに自前のマシンに跨がって並んでくれるようじゃないと・・・なんというか大義がない、ように感じるのです。

画像: そりゃあスクール車をズラッと並べたら整って見えますけどね。これだってもう絶版車だしなぁ。

そりゃあスクール車をズラッと並べたら整って見えますけどね。これだってもう絶版車だしなぁ。

筆者はかつて、畑違いではありますがロードライディングスクールで数年間、インストラクター補助兼整備主任兼雑用係を、仕事としてさせていただいた経験があります。おそらくのべ500人かそれ以上の方の "はじめてのヒザスリ" をお手伝いしましたけど、あの頃の生徒さんたち、今も楽しく激しくスポーツライディングをされてるのかなぁ、とたまに思い返します。AM3時起き4時出発→帰宅は深夜の激務 (というか激ネム) でしたがギャラはかなり良かったな・・・。

そこで感じたことなんですが、少なくないリピーターの生徒さんの中には、明らかに "スクール・マニア・モード" ・・・我々のところに通うこと自体をある種の目的化される方がごく少数出てきます。それはまぁ技術の伝播に対価をいただくレッスンプロ的な立場では非常に有り難いことなんですけど、常にキャンセル待ち状態の大人気・初心者向けプログラムとしては新たな生徒さんのための席がひとつ埋まってしまうわけだし、どうしたってリピーターさんと一見さんの間には無意識的にでもマウントするされる関係とか、手慣れた雰囲気でスイスイ課題をこなす様子が初心者への圧になったりとか・・・要するにあまりいい影響は感じなくて、"ここでもうヒザスリ覚えたのなら自分のバイクで他所に走りに行ったらいいのに" とぶっ壊れたスクール車を整備しながらよく思っていたものでした。

ダートトラックの場合って特に、他のライダーが走る様をこれまで生で見たこともない方が "一度体験したい!" とやってくるケースがそこそこあるような気がします。はっきり言って動画サイト (あるいは毎週更新の某コラムとか?) を漫然と眺めてくるだけでは全然予習としては不足です。自分がこれから挑戦したいことは、間違いでも頭でっかちでも構わないから可能な限り徹底的にリサーチしてから臨む、というほうがより一層楽しめると思うんですけどね。

生徒がせんせいをいつまでもいつまでも超えていかないのなら・・・

ダートトラックを走り出すにはそれなりの初期費用が必要です。乗り物は程度も含めピンからキリまでありますが、下は100cc〜上なら450ccも新車は減産、中古マーケットは枯渇傾向だったりでいずれにせよ昨今手に入れやすい車両ではなくなってきていますし、オフロード装備一式 + 足によくフィットした鉄スリッパーも用意しなければなりません。まずはすべてが用意されて数千〜数万円で借りられる "体験プログラム" に参加するとしても、次のステップとして全部自分で揃える算段をしておいてもらったほうがいいでしょう。じゃなきゃ正式に始められませんからね。もちろんいきなり全部自前でもいいですよ。それなりに走れるようになるところまでじっくり面倒見ますので、ね。

少しでもお金のかからない方法で体験してみたい・・・という心理もわかるのですが、実際ある程度の予算が必要なスポーツであることは間違いないので、早いうちからよくよくご理解・ご検討いただくのが吉かと思います。COVID-19禍のなか、数年に渡り表立ってレース・イベント活動を行わず、実はその間は自分でもほとんど乗っていなかった筆者なんですが、じっとしていた分の浮いた予算で15年ぶりの街乗り用の原付とかバイクの積めないセカンドカーとか念願のプライベートトラックとかが買えました。これまであまりなにも考えず、ずいぶん無駄にも遣ってきたんだろうなぁ、と冷や汗かいています。とかいって来年の今ごろにはレンタル車ずらっと並べちゃってたりして?

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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