1968年生まれのジョン・コシンスキーは1990年にWGP250cc・1997年にWSBでチャンピオンを獲得したアメリカン・レジェンドライダーの1人ですが、ロードレース引退後の40歳ごろからカリフォルニアのローカル・ダートトラックシーンでオーバルレーシングにドハマリ。2022年最後のコラムは、彼がダートトラックレーシングについて語る貴重なインタビュー・クリップをご紹介します。

アーカンソーでの少年時代、実は熱心なダートレーサーだったコシンスキー

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。世界戦プロ・ロードレーサー時代のエピソードとして、極度の潔癖性、キング・ケニーの秘蔵っ子にして当代WGP界きってのケンカ番長?などなど、神経質なイメージで語られることの多いコシンスキー、(あまり広くは知られていませんが) 実は幼少期を過ごしたアーカンソー州のダートトラックでレーシングキャリアをスタートさせ、主に州内のローカル・シリーズで活躍し、年1回の全米アマチュア選手権にも何度か挑戦した経歴を持つ典型的な "オーバル・ガイ" だったそうです。

画像: Why John Kocinski went flat track racing after road racing retirement youtu.be

Why John Kocinski went flat track racing after road racing retirement

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WGP250ccでのチャンピオン獲得の数シーズン後、師弟関係にあるチームオーナー、キング・ケニーとの確執からヤマハのシートを辞し、スズキに移籍するも開発の遅れにブチギレて決勝レース後にマシン破壊 + 表彰式をボイコットしてシーズン途中でクビ、カジバでの500ccクラス挑戦に照準を切り替えるも今度はメイカーがWGPから撤退・・・なにかと不遇の時期を過ごしたらしいコシンスキー氏ですが、そもそも歯車が噛み合なくなった遠因はケニーさんの牧場でそれぞれXR100Rに乗って、キングの後輪の5センチ後ろにピッタリ付けて追い回したからだったりして。さもありなん?

刻々と変わる状況を見極め激しく戦い、勝利する歓びこそが沼。とのこと

1999年ごろにプロ・ロードレースでの現役生活に終止符を打ち、以降は不動産事業で成功し莫大な?富を得たコシンスキー。今年はじめにはロスアンジェルス・ハリウッドに投資目的で所有する建ててから数年のささやかな邸宅?を1,580万ドル = およそ21億円で売り出し中、なんてニュースも目にしましたが、セカンドライフであるショートトラック・レーシングにかける情熱 (と予算額) もなかなかのもので、レーストラックで彼のマシンを見かけるたびにどこかがガラっと変わっている、とは南カリフォルニアのレース界隈では有名な噺です。

画像: 刻々と変わる状況を見極め激しく戦い、勝利する歓びこそが沼。とのこと

コラム冒頭の右チェーン空冷のホンダCR250 "エルシィ" 2ストロークエンジン搭載のナイトフレーマーの他、こちらのバッキバキに金のかかったロン・ウッドチューンのROTAX、さらに現行最新型DTXなど数台 + それぞれのTカー (バックアップバイク) も持ち込み、複数クラスにエントリー。当地ではシリーズ常連のひとりで勝つためなら一切手段を選ばない非情なほどの貪欲さが目を引きます。

貧乏人の小セガレ的視点だと腕自慢の勝負事に金ばっかりかけやがって・・・となりますが、それもこれもレースの一部。僻んだり妬んだりしたって1位以外は全員負け犬。なければないなりに、あればあっただけ?突っ込んで (資金のみならず技術も気力も) "ALL IN" して白黒つけようぜ、というストイック?ストレートな姿勢には好感が持てます。なんでかややヒールっぽいですけどね。実際レーストラックでの走りとかパドックでの姿を見かけたら、また印象も変わるのじゃないかと思います。

画像: John Kocinski Knight framed Honda CR250 Perris Raceway May 13, 2012 youtu.be

John Kocinski Knight framed Honda CR250 Perris Raceway May 13, 2012

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画像: John Kocinski youtu.be

John Kocinski

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混戦のなかで他のライダーたちとは明らかに異質な走りを見せる動画とかはよく見かけますが、エンジン音 (アクセラレーション) を捉えやすい単独走行の模様をご紹介しておきます。この一切躊躇がない感じ、たとえ練習走行であっても彼の見据える地平を想像することはさほど難しくありません。

やはりレースこそダートトラックの醍醐味だなぁ(既に先鋭化した個人の過激な見解です?)
筆者主宰のFEVHOTS、COVID-19禍で数年休止しましたが、来年こそは血で血を洗うガチンコローカルレースとして、前例に忖度しない新フォーマットで再起動したいと考えているところです。
いい加減そろそろ真剣勝負がしたいでしょう?

皆様今年も一年ご高覧ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。
ではまた来年も、毎週金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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