マイナーだけど "ボス" !往時のハーレーファクトリー車もホボ同型かな?
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ほんの数ヶ月前に、1960年代から今日に至る、ダートトラックレーシング専用フレームビルダーたちのざっくりとした紹介とその興亡記 (大袈裟?) を取り上げたんですが、皆さんご覧頂きました?
ダートトラック専用マシン = フレーマー造りに情熱をそそぐ傍らで、多くのビルダーは潜在的なマーケットの存在と、フレーム1本あたり利幅のおそらく大きかったであろうBMX: バイシクルモトクロス用の自転車フレーム製造で生活を安定させ、あるいは成功をおさめた者も多かったようです。
1969年カリフォルニア州オークランドでカルロ・ルシアが創業した "BOSS RACING FRAME" もそのひとつ。1970年代には (AMF時代の) ハーレーダビッドソン・ファクトリーチームが2ストローク・ショートトラックマシン (の一部) に採用したり、コラム冒頭写真の7人 = 全米アマチュア選手権のトップ10ライダーのうち7人が使用するなどして確かな実績を重ねますが、その後はやがてBMXビジネスに軸足を移し、今日でもカルロ自身の手によるカスタムメイド "BMXフレーム" ビルダーとして、その筋ではよく知られた存在のようです。
で、ですね。先月縁あって買っちゃったんですそのフレーム。ヤマハ2ストローク単気筒用。
じゃーん。
ガソリンタンク下の背骨にあたるメインパイプが左右並列の細パイプ2本というのが特徴のこちらのBOSSフレーム、我が国のこじんまりとしたダートトラックコミュニティの中ではかなーり異色の物件かと思うんですが、実は我が国某所に20年ほど前から眠っていたものです。2003年ごろ第何次?かのダートトラックブームの折には、某二輪誌で "旧車用ダートトラックフレーム図鑑" なんて珍しくも興味深い企画があって、そちらでこの個体が紹介されたりしていましたが・・・。
筆者がこのフレームと初対面したのは今からちょうど6年前の冬。ヴィンテージのロードレーサーやオフロードマシンなどに造詣の深い、あるショップの方から "ダートトラック専用フレームはシンプルで美しくて大好きなんでいくつかアメリカで仕入れてきたんだけど、こういうものは本当にコキ使う人が持っていたほうが良いと思う" という素敵なお話をいただいて、一瞬手の届く距離に現れたんですが、遠方の新しいレースメンバーにお譲りして、じっくり育ててもらおうと思っていたんです。
なのですが数年経って、徐々に自分自身の嗜好が変わるというか、持ち物とか状況とかが "ボス向き" になってきたというか・・・手に入れるなら今しかないな、ということで、えいやっとこちらに戻していただくことにしました。譲った姿のまま、まだなにも着手していなくてラッキーでした。
実利に適えばこんなんでいいんじゃないの?みたいな簡素な造りが最高です
今はまだ頂いてきたまんま、ニッケルメッキ仕上げのフレームを磨いて錆落としたり、あちこち寸法測って手持ちのパーツで1台組めるかなどと検討中の段階ですが・・・。実際の競技の場で必要十分に機能するであろう簡便な造作と割り切った考え方、そしてバランスのよいプロポーションがなかなか味わい深いです。
折角のタイミングなので、今回はまずフレーム単体でのディテール写真など、こちらでお見せしようかと思います。車体が組み上がったら見えなくなっちゃう箇所もありますからね。わりとマニア受け?かもですけど、過ぎ去った過去のノウハウも、誰かのなにか、役には立つかもしれませんし。
水冷なんかの現代的なエンジンを積んでみても面白いかもしれませんが・・・細部まで当時を再現するような追いかけ方はちょっと性格的に億劫なんですけど、雰囲気あるマシンに仕立てたいなぁ。
その気になればわりとすぐ、形になっちゃいそうな気もしてきましたが?チビチビと楽しんで造り上げてみたいと思っています。50数年前からBOSSフレーム作り続けてる製作者もまだ元気にご活躍みたいなので、オリジナルについてとか当時のこととか、掘り下げながら進めてみるのも面白いかも?
もしかして日本のどこかに、まだまだいくつもこんなフレームは眠っているかもしれませんね。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!