メイク・ハーレー・グレート・アゲイン?シリアスリー?
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。インド工場で生産される現行型水冷市販車 "ストリート750" のエンジンを高度にチューンした (という公式設定の) ダートトラックマシンXG750Rに初勝利をもたらしたのは、ここ数年サポートクラスであるAFTシングルス = 450ccDTXカテゴリーで活躍する若手トップランカーのひとり、ダルトン・ゴーティエ。
この勝利の意味深い点は、サミー・ハルバートとジャロッド・ヴァンダークーイという2人の優れたライダーがファクトリーチームとして参加するトップカテゴリー・AFTツインズではなく、来期から新たに本格運用される 市販車エンジン使用の "プロダクション・ツインズ" カテゴリーでの優勝だったこと。このクラスは来年から正式に、現在のトップカテゴリーである2気筒クラスと、450ccクラスの間に位置づけられることが決まっています。詳しくはこちらからどうぞ。
本マイル戦では19台がエントリー、決勝17台による15周で争われたこのプロダクション・ツインズは、ここ数戦で目覚ましい進化を遂げたヤマハMT-07、チューニング次第ではXR750やFTR750と互角以上のパフォーマンスを発揮するカワサキニンジャ650、あるいはドゥカティGT1000などといった市販車ベースの公認エンジンを搭載したマシンたちがハーレーXGの直接のライバルとなります。
つ・ま・り、全米選手権トップカテゴリーではここ数年まったくの敵なし (というかコレに乗らないとそうそう勝てない・決勝残れない説があるくらい) 、ホボ無双状態の "インディアンFTR750" に代表される、いわゆるダートトラックレース専用車は一切参加を許されていません。
5年前、Xゲームスを絡めて始まった新時代へのトライ&エラー?
直接のライバルFTR750についてはレギュレーションを論拠に排除しつつ、ベースとされるインド工場製市販車によく似た外観ながら、ヴァンス・アンド・ハインズ製エンジンを搭載するXGがこのクラスにエントリーするのって・・・本場プロダートトラック界に長く身を置く関係者でも首を傾げる現代の七不思議? 忖度案件? っぽい感じも否めませんが、今こそハーレー自身が大ナタを振るって第一線から退役させようとする名車XR750に代わる、新たなヒストリーの始まり?かもしれません。
来シーズンのXGシリーズの動向、ちょっと面白くなりそうです。
AFTツインズでは大多数がインディアンFTR750を駆る中、ファクトリーライダーたった2人だけの体制で、なかなか表彰台も覚束ない苦戦の日々が続くハーレーダビッドソンチームですが、来期からは450DTXの上位互換サポートクラスとなるこちらの "プロダクション・ツインズ" と、さらなる一般化路線・・スポーツスターなどの市販ビッグバイクをベースとしたマシンで競う・・・近頃人気の "スーパーフーリガン" カテゴリーの二本柱を重視して活動するだろう、という噂? も、まことしやかに囁かれています。
先日取り上げた16人の "スターライダー" (どうやって選ぶんだろう?) による華やかな "motoGPスタイル" (誰がそうしたいんだろう?) での最高峰プレミアカテゴリー "スーパーツインズ" でこの先もしばらくは苦戦が続くことになろうとも、 この思い切った方針転換こそが、ダートトラックレーシング = ハーレーダビッドソンという沽券を護る、ひとつの新たな要石となるかもしれません。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!