"キング" ケニー・ロバーツはロードレースの世界GPに進出する以前、並列2気筒のヤマハ650ccに独創的な切り口でチューニングを施し、全米プロ・ダートトラック選手権で大活躍していた・・・とはモノの本とかWWWの世界をほじくるとあっさりサラっと書いてあったりしますが、さすが本場は情報量が違いますよね、当時物のご当人スペシャルマシンを細部に至るまで寸分違わず?再現して走行可能なレベルでのレストアを試みようとする "ガチガチにヤバい好事家" がいたりします。

全方位的に心血の注ぎっぷりがちょっともう尋常じゃありませんって・・・

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。ペンシルバニア州にお住いのドン・ミラーさんは、様々なモーターサイクルメイカーのオールドロゴを刷ったTシャツとかスウェットシャツとかフーディーとかを取り揃えた "メトロレーシング" なるブランドのオーナーで、ご自身若い頃から余暇にはアマチュア・ダートトラックレースに精を出し、またあちらのダートトラックレースシーンにまつわる歴史家のひとりとしても知られる御仁。

同ブランドの "レジェンド・シリーズ" というカテゴリーには名の通った名ライダー (やチューナー) のアイテムも取り揃えていますし、またこれまでに何台もの "歴史的ダートトラックマシン" を実走行状態までフルレストアしてきた、筋金入りの達人です。

さて今回ドンさんが手がけたのは、750ccに排気量を拡大し、車体各所隅々に至るまで手が加えられた "ケニー・ロバーツフレーム" のプロトタイプ車両だったもの。リアルタイムで当時を知らない若輩者 (筆者) があたまでっかちにアレコレ言うより、その雄姿を見ていただくのが最優先でしょうね。

画像1: 全方位的に心血の注ぎっぷりがちょっともう尋常じゃありませんって・・・
画像2: 全方位的に心血の注ぎっぷりがちょっともう尋常じゃありませんって・・・

とにかくコンパクトな車体づくりを目指したためでしょうか、他の同時代マシンに比べてとりわけ全長の短いシートカウルが選ばれているようです。ケニーさんの駆る単気筒車・ヤマハTT500 (SR500の早生まれの兄貴分) にもこのシートを取り付けたものをしばしま目にします。

画像3: 全方位的に心血の注ぎっぷりがちょっともう尋常じゃありませんって・・・

右サイドのナンバープレートに食い込む形で配置されたバッテリーケース。シフトレバーは車体左側から右サイドへと移設されています。ド鉄の直管マフラー2本出しが勇ましい。足掛け3年がかりだったこちらのレストアプロジェクト、期間の終わり頃には当時物のタイヤ (GOODYEARロゴのイーグルDTII) をドンさん相当な熱量で探し回っておられました。

画像4: 全方位的に心血の注ぎっぷりがちょっともう尋常じゃありませんって・・・

よぉぉぉく見ないと全景写真からは判別できないかもですが、車体のバンク角を少しでも多く確保するため、左側のクランクケースカバー下半分はうっすら角がナナメに削り落とされています。書き文字調フォントのナンバー2・・・由緒正しい感!・・・が素敵な雰囲気を醸し出しています。

誰でもできるわけじゃない、極めて貴重なプロジェクト

画像: 誰でもできるわけじゃない、極めて貴重なプロジェクト

膨大な資料を基に手間暇かけて取り組んだこのレストア作業、おそらく本場でだって誰にでもできることではありませんが、彼はおそらくライフワーク (のひとつ) と捉えているようです。これまでにもヤマハDT-1のリジッドフレーマー (ソニックウェルド?) 、ジェイ・スプリングスティーンやスコット・パーカーが駆け出しの頃に乗ったハーレーファクトリーの2ストローク単気筒マシン、ROTAX、はたまたドン・カストロのトライアンフ・通称 "アウトロー・ジャスティス" などなどなど・・・。

画像: "奇抜すぎ" と言われてAMAに締め出され、極めて短命に終わったストリームライン・フォルムのトライアンフ

"奇抜すぎ" と言われてAMAに締め出され、極めて短命に終わったストリームライン・フォルムのトライアンフ

好きじゃなきゃできないし、好きなだけでは続かない?ような、崇高な使命感すら感じられます。次の・・・獲物?いや素材かな、一体何になるのか今から楽しみになっちゃいますね!

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.