全米プロダートトラック選手権シリーズの年間カレンダーにそのレースが組み込まれることは近年とんとありませんが、なんと1922年から今年まで!102年間連続してひとつの競馬場で年1回粛々と開催され続ける "全米最古・最長開催期間のハーフマイル・モーターサイクルレース" が存在します。

"バーバラ・フリッチー・クラシック" は伝統のクッション・ハーフマイル!

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。アメリカ2輪モータースポーツ史において重要な意味をもつ、19世紀・南北戦争時代の偉人バーバラ・フリッチーの名を冠したこの偉大なローカルレースイベントは、東海岸中部メリーランド州第2の都市・フレデリック市のフェアグラウンドに所在する、今や全米各地を見渡しても数少なくなったザクザクのクッション・サーフェイスに覆われたハーフマイル競馬場で、例年7月4日の独立記念日のころに開催されます。

1980年代以降、4輪レース専用に作られたダートオーバルで開催されることが主流となった2輪ハーフマイルレースですが、かつてはマイルレース同様に競馬場で開催されるのが当たり前でした。競走馬の脚に負担の少ないクッショントラックは、ダートトラックレースにおいても荒々しい古典的な接戦を生みますが、イレギュラーなライン取りが増えること、掻き上げられるルーストで視界が悪いことなどから、十分なコース幅のない古いタイプの競馬場での開催は安全上の理由から不向きとされ、全米選手権のシリーズカレンダーからも外れる傾向が強まっていくのです。

画像: RAW: 2016 Barbara Fritchie Classic - Frederick, Maryland | Flat Track youtu.be

RAW: 2016 Barbara Fritchie Classic - Frederick, Maryland | Flat Track

youtu.be

このトラックの狭さ!エスケープゾーンのなさ!小さな客席との近さ (街もすぐそこ)!ピックアップトラックの荷台で観戦するほのぼのスタイルですがほぼ全身が金網からハミ出てるってどうなの!みたいな・・・ワールドクラス、もとい全米選手権レベルの大会開催を受け止める会場では全然無いことは間違いありませんが、そこに現れるレース風景は "ON ANY SUNDAY" ほぼそのまんま、です。

102年目の今大会で450とツインズWタイトルを勝ち取ったのは・・・?

そんなノスタルジーに満ちた伝統のローカルレースで、今年のプロ450ccとツインズの両クラスを制したのは、バーバラ・フリッチー生誕の地ペンシルヴァニア州ランカスターをホームタウンとする "元" AFTライダー、コリー・テクスターでした。

画像1: 102年目の今大会で450とツインズWタイトルを勝ち取ったのは・・・?

昨シーズン限りでプロとしてのフル参戦生活から退くと宣言したコリー、数少ない女性プロライダーであるシェイナの兄ちゃん、と呼ばれることもままありますが、2019・2021年にプロダクションツインズクラスでチャンピオンを獲得、現役ラストイヤーも僅差のランキング2位で終えた実力者です。現在も後進の育成・"ウィンター・ショーダウン" なるオフシーズン開催の独立系レース主宰・5歳になる息子の厳しいお師匠さんとして "乗って勝つ以外の部門" で大活躍中。36歳くらいとまだまだ若いので今後も存在感ある活動をしていくのかなぁ、と思ってはいましたが、当然ながら乗ってもまだまだ一線級です。

画像2: 102年目の今大会で450とツインズWタイトルを勝ち取ったのは・・・?

ウチの子たちがフツーに乗れるようになるまでに、私もいいとこ沢山見せとかないとだなぁ。
暑いけどサボらず裏庭でちゃんと練習しよ。
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.