世の中には2種類のクルマがある。モーターサイクルをレース会場まで運べるクルマと運べないクルマだ・・・などと古来から言われてきたとおり、2輪向けのトランスポーターはあくまで運搬に特化した乗り物で、居住性とか運動性能は二の次三の次とされることがほとんどですが、すくなくとも前者についてはほぼ完璧にこなせそうな、それも個人的なDIYで課題をクリアしたっぽい、トンチの効いた実例を北米中古トランスポーターマーケット (?) で見つけましたのでご紹介したいと思います。

BOXトレーラーとキャンパーシェルを重ねて!VANシャシーに載せる大技

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。2011年ごろ、家を捨てて最小限の生活用品と趣味のモノを中古のおんぼろカーゴバンに積み込み、移動しながら生活する様をWEB上で公開し始めたラルフローレンの元コンセプトデザイナー、フォスター・ハンティントンが、今日のいわゆる #バンライフ ムーブメントの始祖だと言われていますが、ミニマルでオフグリッド (生活に必要なライフライン・インフラ網に依存せず独立した生活様式) な居住空間として自分のモーターサイクル・トランスポーターを形づくろう、と考えた独創的な人物が米国オレゴン州にいます。

その発想は幼児の積み木遊びのごとく実にシンプルで・・・?

画像1: BOXトレーラーとキャンパーシェルを重ねて!VANシャシーに載せる大技

V型10気筒エンジン搭載のフォード製E450カッタウェイ・バン・・・後部に様々な架装を取り付けられるよう2列目以降がシャシー = 車台のみの状態でメイカーから出荷されるフルサイズバン→救急車・BOXバン・レッカー車など各種作業車・キャンピングカーなどのベースとして用いられる "CUT-AWAY" 仕様の車両・・・の荷台部分に、

画像2: BOXトレーラーとキャンパーシェルを重ねて!VANシャシーに載せる大技

5' x 8' (幅1.5m x 長さ2.4m) のカーゴトレーラーの "箱部分だけ" を90°横向きにして車台前部に搭載し (荷物の出し入れは車体両サイドから可能なようです) ・・・

画像3: BOXトレーラーとキャンパーシェルを重ねて!VANシャシーに載せる大技

その後部・・・というか上部?にはノーザンライト製4シーズンキャンパーシェル (ピックアップトラックの荷台に載せてキャンピングカーにコンバージョンする大型BOXユニット) を背負い、プロパンガスのヒーターシステムとソーラーバッテリーを完備。車外の各種インフラ設備から切り離した状態で生活ができるように仕立てられています。

画像4: BOXトレーラーとキャンパーシェルを重ねて!VANシャシーに載せる大技

1.5m幅のカーゴスペースには、4台のフルサイズオフロードマシンを搭載可能。

画像5: BOXトレーラーとキャンパーシェルを重ねて!VANシャシーに載せる大技

居住部は完全にフルサイズキャンパーそのままなので、数名がゆとりをもって就寝できます。

キャンピングカーでカーゴトレーラー曳くのと結局は同じじゃん・・・というなかれ、製作者はこちらのほうがシンプルな解答でミニマルでオフグリッドだ、と主張します。そ、そうですかね???

掘り下げの深度と熱量・・・ダートトラックレーシングにも繋がるものが?

65,000ドルで販売中のこちらの車両、アメリカでも高い!とかトイホーラー (後部にカーゴスペースのある大型キャンピングトレーラー) のほうが合理的では?など賛否両論を巻き起こしているようですが、作るのは自由ですからね。売り手は "もっと改良したヤツをもう1台製作したいから、売る" とのこと。誰がどう見てもややクセが強い物件ながら、次の作品がどうなるのか興味が湧きます。

電気自動車時代へと本格的に突入していくタイミングで1,000馬力超えで公道走れるファクトリーチューン・ドラッグレーサーをメイカーが自信満々に発表するお国柄だもんなぁ。あまり関係ありませんけど今日は畑違いのクルマ繋がりということで・・・。これも彼の国ならではのガソリンエンジン時代への "別れの挨拶" らしいですよ。ちょっとグッときちゃいますよねー。

これからは自分のマシンに加えて子供のバイクも運ばなきゃだからそろそろトレーラー買おうかな?と筆者は思っていたんですが・・・片道1時間の新トラックならいっそ2往復してもいいのかも?

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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