夏休みを挟んで全米各地をホボ2周、均整の取れた全18戦パッケージ！
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー / FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ということでまずはじめに、2023年AFTレーススケジュールの全景をじっくりと眺めてみましょう。年間予定の発表時期はほぼ平年並み、当コラムの公開日から数えて55日後の3月9日、フロリダ州での春のビッグイベント、デイトナバイクウィークの中で行われるショートトラック2連戦にて開幕し、9月初旬のイリノイ州スプリングフィールド・マイルでのWヘッダーを最終節に据える、足かけ7ヶ月・全18戦で戦う構成です。
2輪ダートトラックレーシング = フラットトラックには、ショートトラック (ざっくりおよそ400m以下) ・ハーフマイル (約800m) ・マイル (約1600m) ・TT (前ブレーキ装着・ジャンプと右ターンありの変形レイアウト) という4つの距離・形式別の小カテゴリーが存在することはご存知の方も多いはずです (・・・よね？) が、今期の内訳はショートトラックx4・ハーフマイルx5・マイルx5・TTx4という、近年まれに見るバランスのとれた構成です。
かつては全20戦程度のうちショートトラックx2・TTx1・残る半数強がマイル・半数弱がハーフマイル、とかで中長距離トラック重視、短距離トラックのみで軽量な単気筒車を使用、といったような偏りが長く続いた時代もありましたが、現在は通年同一のエンジン形式で戦うのが基本形です。
シーズンほぼ中盤、8戦目のケンタッキー州レキシントン "レッド・マイル" と、9戦目のイリノイ州 "デュコイン・マイル" の間の3週間のインターバルをサマーブレイク = 中休みと捉えると、シーズン前半はフロリダ〜カリフォルニア〜ケンタッキーへと、合衆国南部を東から西そしてまた東へと時計回りに転戦し、シーズン後半は中西部オハイオ州から東海岸北部そして大陸を横断し西海岸北部を経て再び中西部イリノイ州の聖地スプリングフィールドでシーズンの幕を下ろす、という大きく2度の一筆書きで回る、多少は経済的と言えなくもない効率重視のロードマップが描かれているようです。
ビッグシリーズ前後に近傍でローカルイベントが組まれシーンは彩りを増す
このように各地を転戦する全米規模のプロシリーズ・AFTがある地域にやってきてレース興行を行うのは、どこでもほぼ年に一度のこと。関係者と観客の多く集うたまのビッグイベントなればこそ、人の流れによる地域経済への波及効果が期待されたり、あるいはめちゃくちゃな音量のエキゾーストノートが "騒音" ではなく "祭りの号砲" かのようにお目こぼしを与るとか・・・良しにつけ悪しにつけ、常設施設 (遊園地や競技場、サーキットetc・・・) とは異なる影響力をその地域に及ぼしているはずです。イメージとしては映画などに出てくる移動遊園地とかサーカスみたいな感じでしょうか？
また主にレースを楽しむライダー層へ向け、地域・地方ごとでレースを開催する各ローカル競技団体は、AFT戦に合わせた前後1週間くらいの日程で規模の大きなローカルレース・・・AFTに参加するプロライダーたちのスライド参加をもあて込んで、賞金額の大きなプロクラスも当然開催・・・を企画することで( "NIGHT before MILE" レース、なんてネーミングをよく見かけます) 地域のアマチュアダートトラックレースシーンにもシーズン中の急緩？彩り？が増し、良い意味での緊張感を与えてもいるようなのです。これらはまさに、母なる祖国のさすがのお家芸、という他ないでしょう。
またレースシーズンをかなり短くたった7ヶ月間として設定していることからも、このスポーツに纏わって造詣深い彼の地であっても、雨風や嵐、気温と土質管理を始めとした様々な要因から、通年 (言い方はちょっと乱暴ですが平たく薄くダラダラと) 走り続けるよりは多くを集めて短期集中で競争させる、というのが理にかなっているのだなぁ、と実感させられます。今すぐ日本で真似できることじゃない部分ももちろんありますけどね。やれやれ課題だなぁ。
といったところで今期のAFTの動向も引き続き要注目！というトピックでお届けしました。
昨年取り沙汰された某ファクトリーチームの行方などは今期どうなっちゃうんでしょうね？
開幕まであまり日がないから早く知りたいですね・・・。
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう！
