軽量小排気量車が入手多難な時代、実はまだ原石的ベース車が見つかるか？
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。このスポーツの国内の現場で、ビギナーにも乗り出しやすい (とされる) 小排気量の手頃な車種、ホンダXR100R/CRF100FとかFTR223とかの中古車相場は、ここ10年来徐々に徐々に値上がりしていて品薄で、最近では20年落ちのくせに新車並みの価格で取引されるヒャクも見かける始末。
筆者がこのスポーツを嗜み始めた20年くらい前は、5万でソコソコ・10万出せばかなり上物のセコハンが悠々と手に入る幸せな時代でした。ちなみに我が家にやってきた最初のヒャク (白タンク) と223 (書なし事故車ベース) は、どちらも3万円で買って3年遊んでしっかり手入れして次のライダーに譲ったような記憶があります。
各種オフロード・ミニバイク遊びの素材に最適なホンダ縦型エンジン = ヒャク系とか、バイク便御用達で日本中で擦り切れるまで酷使され乗り潰され、アジア各国にもどんどん流出していった230ccクラスが、結果として国内で絶望的なタマ数不足に陥った昨今、車検があって維持費も高めで通勤快速って言うよりは趣味的乗り物の範疇の400cc+クラス、競技の本場アメリカでもヴィンテージクラスの入門車として位置づけられる、ヤマハのSR/XT/TTファミリーなら、実はまだ皆さんご近所の軒下で立ったまま眠っている個体とかをお安くサルベージ (救出) できるのじゃないでしょうか？
ちょっとだけ？弄ればちゃんとグルグル専用車、というスタイル作りの好例
本日ご紹介する個体はニューヨーク州北部の片田舎 (失礼！) から直接引き取り希望・3,000ドルで売りに出ているヤマハTT500・・・1970年代後半に発売されたオフロードレーサー、国内版公道仕様のSR400/500に対するコンペティションバージョン的マシンのダートトラックモディファイ車です。
主な変更点は、競技最適化の必須メニューであるメインフレームのディ・レイク (ヘッドパイプ角度変更) 、丸パイプの純正スイングアームのままリアディスクブレーキ化、φ36mmのフラットスライドキャブレターと直管系マフラー (高回転の伸びとフラットトルクに貢献・音量のモラルは無視) 、前後19インチホイール、テールカウル付きの薄いシートパッド (所謂トラッカーシート) 、強化オイルライン。予備のアルミタンク、純正キャブレター、エンジン腰上、同車土系カスタムの定番である角形スイングアーム (YX600ラディアンという海外向け市販車のもの) が別に付属。ホントかどうだか現車確認要ですがRACE READYでRUNS STRONGらしいです。これで3,000ドルなら手頃かも？
1台だけ持つならこういう "整ったビッグシングル" が一番楽しめるかも？
筆者は過去20年くらいの間に20台以上の"前ブレーキのない競技専用車" を買って駆って売って溜め込んでを繰り返してきましたけど (ヒャク系少なくとも5台・FTR223と250合わせて5台・250~450ccのDTX6台・それ以外の説明が厄介なやつ5台以上・・・) 、これはかなり特殊な例だと思います。
普通は手に入れた車両をなるべく長く、厳選した少数精鋭で走らせるわけですけど、250ccとかそれ以上のメインマシンに乗る方は、気軽に乗れるトレーニング兼遊び用としてヒャクなどのミニ系を増車しがち。逆にヒャクを主軸とするライダーは (これ結構不思議なんですけどね) 、より大きな排気量のマシンの入手を "ステップアップ" と捉えるためか、よほどの覚悟の上でないと導入しない傾向にあるようです。
確かに技術を高める上で、小型軽量のミニマシンは過不足なく親しめる逸材ではありますが、本場ライクにビギナーでもドッカーン！と走らせる楽しみを追求するのなら、間違いなくビッグシングルに軍配が上がるでしょう。というか極端な話、別に巧くなるためだけにダートトラックを走るわけじゃないと思いますしね・・・。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう！
