食うために走って稼ぐことこそプロである証左、と言い切ってしまうとすると、ダートトラック競技の本場アメリカでも、今のご時世それだけで生活しているライダーなんてほんの一握り・・・というか片手も十分余るくらい?だとすると才能ある彼らは、生活の糧をどこに求めているのでしょうか?

食えてるプロライダー、リーマン以降100人もいない説。というインパクト

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。嗚呼なんて夢のない話、と思われる方もいることでしょうが、世界が震えた2008年の世界的な金融恐慌 = 所謂リーマン・ショック以降、あちらのプロレース界でも獲得賞金の目減り、開催レース数そのものの激減、スポンサー企業の出資の取りやめ、参戦予算やチーム体制の大幅な見直し、燃油代高騰その他による個々人の移動のための機動力の低下などなど・・・なくてはならない生活の一部としてダートトラックレーシングを捉え、シーンを下支えしてきた多くの人々にとっては、一昨年来のCOVID-19禍も相まって、極めて厳しいシチュエーションが今日まで続いています。

画像: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

かつてこのスポーツの "プライムタイム" と呼ばれた1980年代には、才能あるライダーの多くは走ることで主な生計を立てていたと言われますが、2000年代以降は (ごく少数の富裕層を除けば) 平日になんらか働いて生活の基盤を確保し、週末のレース目がけて予算と態勢を整え・・・我が国の多くのモータースポーツ愛好家とほとんど変わらぬスタイルで日々に向かうのが主流となっていきます。

"セルフ不動産投資" という月〜金の副業をもつプロライダー、結構多め

プロライダーたちの平日の顔は様々です。トラックの運転席に座る者、モーターサイクル・チューナーとして一般顧客のために技術を奮う者、企業のコールセンターに勤務する者、農業や特殊なハッパの生産に汗を流す者・・・州によっては合法ですので・・・etc。あるいはそれぞれが幼少の頃から培ったダートトラックライディングのスキルを広く人に伝えるインストラクター、なんてのも容易に思いつきますが、こちらは本場と言えど生業にするほどの需要・稼ぎには残念ながらならない様子。

画像: "セルフ不動産投資" という月〜金の副業をもつプロライダー、結構多め

近年プロレベルのライダーたちに密かに人気の高い職業、というか事業?は、住まいのほど近くにボロ家を買って、一般的な市場価格より高値で貸したり売ったりできるところまで手を入れる "セルフ不動産投資" 。これなら週末のレース活動に軸足を置く生活であっても、従業員を雇うことも含め自身のペースで仕事を進められますし、親しいライダー仲間との恊働でリスクを分散して取り組むことだって可能です。

このスポーツでは食っていけない、というのは悪いことばかりじゃない

スポーツはアマチュアリズムこそが素晴らしく、金銭との結びつきを善としない・・・みたいなやや古くさい教育的?倫理観を持ち出すわけではなく、稼ぎにはならないけれどそれでも取り組み続けたいと魂を突き動かされるなにか、がダートトラックレーシングにはおそらくあるのだろうと筆者は感じています。

メジャーにはなかなかなり得ないこのマーケットベースで必死にシノギを求めても、結局のところは小さなパイの奪い合いでしかありませんし、そこに注力するエネルギーがあるならそれぞれが他の形で掘り下げて追求することもきっと可能でしょう。肌身を持ってそれを知ってこそ、やがてシーンに層の厚さが生まれるということなのかもしれませんね。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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