流速と流量を倍増?魔法のような空気の入口はコットンガーゼフィルター!
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。我が国では今から四半世紀ばかり前からの "ストリートトラッカーブーム" のおかげで、バイク乗りなら誰でも知るほどの定番アイテムとなった "K&Nのパワーフィルター" ですが、1960年代にケンさんとノームさんという2人の2輪ダートトラックレーサーによってカリフォルニアで創業した同社は、2輪4輪その他パワースポーツのみならず、様々な内燃機関のための製品を生み出す、フィルター業界では世界屈指のメジャーブランドです。
![画像: 記事冒頭のツインキャブレターのハーレーダビッドソンXR750はもちろん、より現代的なインジェクション仕様のカワサキニンジャ・ER650ダートトラッカーでもご覧の通り、K&Nフィルターが採用されています。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/e91b275b04f9b411d60470f5b46759ef827c93ae_xlarge.jpg)
記事冒頭のツインキャブレターのハーレーダビッドソンXR750はもちろん、より現代的なインジェクション仕様のカワサキニンジャ・ER650ダートトラッカーでもご覧の通り、K&Nフィルターが採用されています。
公道用の市販自動車に、純正品として最もよく使われるのは "紙製の使い捨てフィルター" 。砂塵への対応が求められるモトクロスバイクなどのオフロード車には、粘度の高いオイルを染み込ませた "洗って使える再利用可能なウレタンスポンジフィルター" が採用されることがほとんどです。
様々なカテゴリーでトップシェアを誇る、アフターマーケット・エアーフィルターの雄 "K&N" のカスタムフィルターは、表裏両面から金属メッシュで挟まれたコットンガーゼに、専用のフィルターオイルを塗布する独自の構造で、専用の中性洗剤と水とで繰り返し洗うことができる耐久性と、純正比150%とも謳われる吸気量が最大の特徴で、高出力と経済性を高次元で両立する類い稀な製品です。
![画像: 流速と流量を倍増?魔法のような空気の入口はコットンガーゼフィルター!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/a2076352c6bf3df61d504332be80c2ce85b1118f_xlarge.jpg)
アメリカ合衆国の自動車業界で "ミリオンマイル・マン" として広く知られるルイジアナ州在住の一般人、カール・ジュディスさんは、新車で購入した1997年式シボレーピックアップにK&N製エアフィルターを装着。定期的なフィルター清掃のみで9年間に160万km (!) を走破。このトラックと使い込まれたエアフィルターはK&N社によって回収され (代わりに2007年式の新車とK&Nフィルターを進呈!) カリフォルニア州リバーサイドの同本社ミュージアムに実動状態で永久保存されています。
良く吸うフィルターはパワーの源。きめ細やかなメインテナンスが重要!
ダートオーバルでのハイスピード走行で、吸入効率の良い剥き出しのハイフローフィルターは細かな砂塵や土塊にさらされますが、高いパフォーマンスを維持するためには丁寧な扱いが必要です。我が国のレースシーンではひん曲がってヒダの折れたフィルターや泥が詰まったまま走り続ける方もしばしば目にしますが、そのような状態では本来期待される性能を発揮しているとは言えないでしょう。
![画像1: 良く吸うフィルターはパワーの源。きめ細やかなメインテナンスが重要!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/24c8b11a89f0bb4da3b14490eee9b958a15d5e4f_xlarge.jpg)
"プリチャージャー" と呼ばれるストッキング様の細かなメッシュの防塵フィルターカバー (これでも吸入量は10%程度?落ちるようですけど) を被せて小まめに埃を払うのもひとつの方法ですし・・・
![画像2: 良く吸うフィルターはパワーの源。きめ細やかなメインテナンスが重要!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/b2576086d9b19b17372702a2944145dd7caeaa9f_xlarge.jpg)
面倒くさいから1日つけっぱなし・・・と言わず、現場で汚れたらさっさとスペアに交換するのもスマートな方法です。筆者が自身のレースに (一応本人的には?) 真剣に取り組んでいた頃は、2日間の走行 (前日練習とレース当日の3〜4ヒート) で3つか4つのフィルターを使っていたものでした。酷く汚れる前に替えた方が洗うのも簡単ですしね。数十周走ったくらいでどの程度パワーに影響するのよ?って思う方もきっといるでしょうけど・・・実際試せばわかると思いますよ。
![画像3: 良く吸うフィルターはパワーの源。きめ細やかなメインテナンスが重要!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/d866bfbd2b4100d1e2673ee8ddd125ed42a59216_xlarge.jpg)
かつてアメリカから日本にやってきた元GNCマシンであった450ccフレーマー (ダートトラック専用クロモリパイプフレームのマシン) にはこんな "トリックパーツ" が。キャブレターとフィルターをつなぐコネクティングチューブ内に、さらに流速を高めるために逆ラッパ形状のアルミパイプ製エアファンネルが仕込まれています。あちら本場の (プロレベルの) レースシーンでは、エンジン慣らしとかパワーチェックでしばしばシャシーダイナモを使うため、ライダーの感性頼りでなく実際のデータに裏付けられた、理にかなったチューニングが施されている点も非常に興味深いですね。
DTX = モトクロスマシンでも流速UP!ポン付けの高性能高価格版?
泥水がエアクリーナーBOXに流れ込むような悲惨なコンディションのエンデューロとかでは使えないでしょうが、近年アメリカではモトクロスマシン (ダートトラックでは足回り変更でDTXとして使用) にもこのような、純正互換のK&Nフィルターが結構人気のようです。
![画像1: DTX = モトクロスマシンでも流速UP!ポン付けの高性能高価格版?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/ec705fefda6c128130ff1f98e25b6e01796655e7_xlarge.jpg)
写真中央、フィルター背面からの吸気で内部に渦を起こし、吸気速度を大幅に上げる新しいテクノロジーらしく、ここ10年の各メイカーのモトクロスマシンインジェクション化ともちょうど相まって、かなりのパフォーマンスアップが期待できるのだとか。筆者も実はひっそり使ってますが、なによりウレタンスポンジ式より手が汚れないところが最高?ですね。国内一般流通少ないのと結構お高めなのが難点ですが、なかなかの逸品です。
いかがでしたか?創業者コンビが元々ダートトラッカーだったと知って、毎回の掃除ももう少し丁寧にやる気になっていただけたら幸いです。なんて。だけどなんだか少しだけ身近になりますよね。
![画像2: DTX = モトクロスマシンでも流速UP!ポン付けの高性能高価格版?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/7b5b40b13f8e7775a6d632976011117171fa3d59_xlarge.jpg)
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!
![画像3: DTX = モトクロスマシンでも流速UP!ポン付けの高性能高価格版?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783360/rc/2021/10/21/4e7e14cab5d95bbe912ea20ba8425d47fcc35dc9_xlarge.jpg)