ケニーズランチや伝統のライディングスクールでお馴染みのちびっこマシン
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。現代に連なるホンダ製100cc4ストロークのミニ・ダートバイクの歴史は、ざっくり1980年代初頭に始まりました。40年近く、幾多のライダーに "はじめての土の上体験" を与えてきたことになります。
本来なら最大でも50〜55kgあたりまでの体格を想定して作られた、この非力でちっぽけなオフロードマシンを、高度なスポーツライディングの礎としてトレーニングメニューに取り入れた名伯楽は、プロダートトラック出身のロードレーサー、ご存知ケニー・ロバーツ・シニアだと言われています。
ロバーツ・ファミリーとその一派の世界GPなどでの活躍とともに、この一見風変わりなミニバイク + フラットダートというトレーニングメニューを世に広めたのは、開校から四半世紀にもなる伝統のダートトラック・ライディングスクール、その名も "アメリカン・スーパーキャンプ" の影響によるところが大きいでしょう。(←現在はヤマハTT-R125 / 230を使用しています)
元ロードレーサーのダニー・ウォーカーとダートトラックレジェンドのクリス・カーが、同スクールでこれまでに築いてきたベーシック・スキルのトレーニング方法は、アメリカ国内のみならず、今や世界中のフラットダート・ライディングスクールの鉄板的基本メニューとしても認知されています。
ストックでストイックに研鑽するも良し・チューニングの深淵を探るも良し
大排気量のマシンと比較すれば幾分低リスクで、純粋なライディングの探求に専念できるミニサイズマシン。最低限の部分に手を加え、ひたすらストイックにトレーニングに打ち込むことも、より速いマシンをビルドアップする・・・競技に勝つためにはスキルの体得だけでなくこれもまた必要な感性かと・・・ことも、様々な方向性でライダーの引き出しを深く拡げてくれる頼りになる相棒です。
優秀なトレーニングマシンであるうえ絶版となって久しいからか、中古市場でもなかなか品薄で高値維持、ポイント点火の30年選手が目玉飛び出るような価格で取引されてたりして・・・筆者はこれまで何台も乗り継いできましたが、2000年代ならヒトケタ万円の中古もゴロゴロあったんですよ。
新型の現行モデル125cc、ヒャクより重くちょっとノロマでホンダの海外工場製のやつも決して悪くはないんですけどね。伝統のロングセラーにはまだちょっと、おいそれとは勝てそうもありません。
アメリカン・バックヤードビルダー?が100ccを素材に本気出したやーつ!
ダートトラック競技の本場アメリカでは、ピットバイクとしてコキ使われたりマッドドッグ (狂犬?) クラスなんて名称で改造なんでもありの余興クラス的に楽しまれることも多いミニサイズですが、珍しく本腰入れてカスタムビルドされたマシンの製作過程を記録した動画があったのでご紹介します。
コロラド州にお住まいのプロの広告写真家グレゴール・ハレンダさんの "プライベートな趣味" はモーターサイクルのカスタムビルド。どこがプライベートなのよって規模の工作機械に囲まれたガレージ・ワークショップとか、最難関ぽいオリジナルフレームはいきなり完成形が現れるなど、微笑ましい突っ込みどころ多数ですが、あちらのクリエイティブの入魂ぶり?を窺い知ることができますね。
完成が近づくにつれ、プロスキルを持った友人たちが何人も加わったり、最終的には近年流行の "乗って魅せる" 式カスタムショウ (ショートトラックレース付き) にエントリーするんだけどライダーは他から雇ってくる、とか、製作者がなにを重視して自身の手を動かすのかが非常に興味深いです。
なんとなく大排気量マシンよりミニ・ダートトラッカーの親しみやすさに興味がある方、あるいは再びやってきた巣篭もり期間のお楽しみの一助に?皆さんいっぺんご覧になってはいかがでしょうか。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!