"キング" ケニー・ロバーツ・シニアを筆頭に、世界で活躍するアメリカ人グランプリライダーの多くはダートトラック出身だ・・・とはしばしば耳にする金言?ですが、本当にどのくらい "そう" だったのかは、言葉のイメージほどには知られていないのかもしれません。本日は手元にある35年以上前の資料を紹介かたがた、半世紀前のダートトラックレースシーンに想いを馳せてみましょう。

先週の"ブルタコ・マッチ"観て以来、原点回帰の探求心が留まらないYO!

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。先週のコラムでご紹介した "FLATTRACK FITE Klub" 、新旧スター選手8人によるバトルロワイヤル、皆さんもうご覧になりましたか?PPV (ペイパービュー) で払った分だけ元を取ろうってわけじゃないんですが、筆者は何度も三度も、いえいえ毎晩のように見返しています。おかげで少々寝不足気味。

オールドスクール・・・古き良き伝統の・・・ダートトラックマシンが、レジェンドライダーと現役トップ選手たちによって活き活きとダイナミックに躍動する姿を繰り返し連日のように見るにつけ、このスポーツの "根っこ" の部分への新たな興味が沸々と湧いてきます。

ということで本日、なんだか久々に思い出したのもあって、本棚から引っ張り出してきて皆さんにご紹介したいのは、1982年に出版された名著 "KENNY ROBERTS" の日本語版。著者はバリー・コールマン・・・1980年にFIM主催のいわゆる"ロードレース世界選手権" とは大きく方向性を異にする新たな "ワールドシリーズ" 開催を、ケニーさんを始めとしたライダーたちと共に企画したイギリスのモータージャーナリスト。手元の日本語版は翻訳が小川ヨーコさん、巻頭グラビア写真が木引繁雄さんによるもので、1984年にライダースクラブから背の硬い単行本として出版されたようです。

画像: 先週の"ブルタコ・マッチ"観て以来、原点回帰の探求心が留まらないYO!

1ページ2,700文字 x 100ページのだいたい半分がダートトラックの話・・・

こちらの書籍、18文字50行3段 x 100ページだからおおよそ270,000文字 (原稿用紙700枚近い?) の本文中、当方調べで実に52ページがケニーさん駆け出し期から全米チャンピオン獲得に至るダートトラック時代のストーリー。全12章の構成なんですが、第1章なんてケニーさんの前のそのまた前の代の? スーパースター、歴史上初めてAMAグランドスラム (マイル・ハーフマイル・ショートトラック・TT・ロードレースの全種目制覇) を成し遂げた名ライダー、ディック・マン (1934年〜) が鉄スリッパーの緒を締める回想シーンから? 始まります。

なっかなかケニー少年、出てきません。こりゃあダートになんか一切興味のない、現役バリバリのWGPチャンピオンとしてのケニー・ロバーツを知りたかった我が国の読者のココロに、いったいどのくらい響いたのか?今更ながら心配になります。

ベテランダートトラッカー、ディック・マンの紹介に始まる異色の構成はそこからケニー少年の北カリフォルニアでのダートトラックレースデビュー、LAにあった伝説のアスコットレースウェイへの遠征、家族や故郷の町について、全米ダートトラック選手権優勝とTZ750 "マイラー" のこと・・・なっかなか世界GPに向けて旅立ちません。すごい。なんとなく聞いたことあるけど実際に活字になってるのは初めて見るような話ばかりです。ある種ダートトラッカー冥利といったところ。

画像: kenny roberts tz750 indy mile www.youtube.com

kenny roberts tz750 indy mile

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といった感じのこの本、1984年当時の定価で3,000円らしいんですが、10年くらい前に地方の古書店のワゴンセールかネットのフリマ?だったかなにかで数百円で手に入れちゃったんです。ラッキー。原書はプレミアついてるという噂も聞いたことがありますが、こういった価値ある内容の文章や文化、これからどうやって後世に残していったら良いのでしょうね。

あ、そうだ。次週24日あたりに出る予定で、巻頭特集でダートトラック50ページを取り上げる勇気ある? バイク雑誌があるんですが、そちらの企画では不肖FEVHOTS代表の私もちょっとだけお手伝いさせていただきました。ご興味ある方は是非ともお手に取ってご覧ください。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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