あと2週間ほどで開幕する予定の2020 AFT: 全米プロダートトラック選手権ですが、気になるルール変更がまたもや行われるようです。従前からの伝統的な競技スタイルを詳しく知っていてもいなくても、少し考えたらちょっと首を傾げたくなる? 方針転換がこのところ着実に進んでいるわけなのですが・・・アメリカが生んだ最古の2輪モータースポーツは一体これから何処へ向かうのでしょうか?

クラス再編で入口とテッペンを絞り込み!プロへの新規参入は持参金次第?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。来たる2020年シーズンの全米プロ選手権2気筒部門が、選ばれし? 18人の "トップライダーたち" による最上位カテゴリー "AFTスーパーツインズ" と、サポートクラス (下位カテゴリー) として設定される市販車ベースの "AFTプロダクションツインズ" の二本立てとなることは以前ご紹介したとおり。

"スーパーツインズ" 18台の内訳は相も変わらずインディアンFTR750が主ですが、純レーシングマシンゆえ "プロダクションツインズ" には一切出走不可。(灰色の噂では) 主催サイドはこれをいいことに数年かけてAFTシリーズ花形の座 = 主軸をプロダクションクラスに移し、スーパーツインズは勝ち過ぎFTR750のみが居残る "オミソ的なエキシビジョンクラス" への転換を画策しているとか?

そのころにはスミス&ハワートンらの尽力により、ここまでいいとこなしのハーレーダビッドソンXG750Rも確かな戦闘力を得ているはずですから、信憑性の高い計画・・・謀略? かもしれません。

さて、本日ご紹介したい気になる新たなルール変更なんですが、前述の2気筒マシン x 2クラスに加えて行われる450cc単気筒カテゴリーのAFTシングルス、いわばこのシリーズのボトムラインを支える "プロとしてのエントリークラス" という位置づけですが、こちらのエントリー可能台数に主催者都合で "上限" を設けます、という話。

画像: AFT関係者への公式な通達は今月半ばを過ぎてから。つまり現段階で年間エントリー数が少ないのかも?

AFT関係者への公式な通達は今月半ばを過ぎてから。つまり現段階で年間エントリー数が少ないのかも?

ショートトラック・ハーフマイル・マイル戦は32台、TT戦は48台をそのリミットとするそうで、シリーズ全戦参加予定のライダーに優先権が与えられるようです。すでにレギュラーライダーがその人数を超えているなら、開幕戦以前から "エントリー競争 = 椅子取りゲーム?" が始まりますし、我が国を始め諸外国からのスポット参戦ライダーへの門戸は限りなく狭められることを意味するはず。

画像: クラス再編で入口とテッペンを絞り込み!プロへの新規参入は持参金次第?

トップカテゴリーを絞って限定的な見せ方を探るのも妙案とは言い難い印象ですが、そこへと至る若者や挑戦者たちの集う登竜門を閉じかけるとはこれ如何に? AFTの真意はどこにあるのでしょうか?

"放映 (広告) 収入"とか"SNS映え?"に色目全開! のAFTシリーズ経営陣

AFTが今回の変革で最も重要視しているのは、全世界へ向けた即時性の高いライブ・ストリーミング中継、あるいは各ソーシャルメディアを介した情報発信による、広告収入のさらなる獲得です。エントリー台数・出走台数の絞り込みは、よりコンパクトなレース運営・定刻通りの放映を無難にまとめることを可能にしますが、将来的なカテゴリーそのものの広がりにはあまり寄与しないでしょう。

画像: "放映 (広告) 収入"とか"SNS映え?"に色目全開! のAFTシリーズ経営陣

これまでのアメリカンダートトラックレースシーンにおける、伝統的な決勝周回数 = 25周 (プロのトップカテゴリーでの話。路面条件の善し悪しはもちろん、格下やアマチュアは18・15・12周などもっと少ない) を捨て去り、トラック長さによって6〜14分 + 2周という、このスポーツでは前代未聞のフォーマットへと唐突に移行することも、レース風景をガラッと変える大きな材料になるはずです。

もちろん計画自体が良いとか悪いとかではないですけど・・・世の流れにはもはや出遅れてる感?

"この世界の中心"がAFT以外の場に移るその瞬間がいよいよやってくる?

AFTのCEO (イギリス出身) によるこのような "ビッグゲーム化計画" は、あまたの (古くからの) アメリカンダートトラックレース関係者からは実際のところほとんど評価を得ていませんし、今は華々しく思えても、このスポーツ全体の将来像を語る明快なイメージは筆者にも感じる事ができません。

と言った具合に、我々がメディアで目にする機会のまぁまぁ多いプロのトップカテゴリー界隈はこのように少々 "アレ" な雲行きですが、昔ながらの・古き良き・変わらないローカル的レースシーンの厚い層が、かの地にはしっかりと根深く存在していることは、逆に大いなる安心材料と言ってもよいでしょう。

画像: Willow Springs Po Main 4 27 2014 youtu.be

Willow Springs Po Main 4 27 2014

youtu.be

そして競技の起源であるアメリカ以外に目をやれば、どうやらFIM: 国際モーターサイクリズム連盟でも、いよいよこの2020年、これまでスピードウェイ競技だけだった " (オーバル) トラックレーシング" カテゴリーで、フラットトラックの世界選手権をスタートする運びとなるようです。初年度はヨーロッパでの全4戦が予定され、世界中から強豪ライダーが一同に会する大会となる?とのこと。

この新たな "ワールドシリーズ" についてはまた改めて整理してからご紹介したいと思います。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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