治って復帰するまで時間かかる系ダメージの2トップ・・・鎖骨と膝関節!
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。どんなスポーツでもアウトドア活動でも、打ち身擦り傷切り傷や単純ポッキリ骨折などはまぁ、ある程度覚悟・・・いや受傷可能性を考慮しておくべきリスクですが、モーターサイクルを用いて高速でオーバルトラックを周回するダートトラックレーシングで、特に気をつけたい (ということは防ぐことができるかもしれない) トラブルとはズバリ!肩・首への過負荷によって起きる "鎖骨の骨折" と、左足膝部を捻って関節を痛めること、この二つが双璧だと言えるでしょう。イタタタタ。
首や腰などを横捻りし、ついでにマシンの進行方向も横向きとなるダートトラックでは、転倒のはずみに腕の付け根の肩甲骨を強打して、あるいはヘルメット下端縁部が直接接触することで、鎖骨骨折 (あるいは肩鎖関節脱臼など) を招く可能性があります。上半身・特に複雑な肩の構造を守るために、いわゆるクラッシャブルゾーンとして機能するのも鎖骨の特徴ですが、一度折れると完全な治癒にはそれなりの時間がかかります。手術で繋ぎあわせることも可能ですが、その場合鎖骨自体の強度が均一でなくなるため、無理を重ねれば骨折箇所周辺をより激しく損傷する可能性も排除できません。
左足に装着した鉄スリッパー (ホットシュー) を路面に接触させて走行するのはこのオーバル競技ならではの風景ですが、三点支持的に荷重の多くを足に逃す実はリスキーなフォームは、もし荒れたトラック表面に激しく引っかかった場合、酷ければ膝関節があらぬ方向に "グギッ" とイってしまいます。ここでまずダメージを負うのは "内側側副靭帯" 、次がおそらく半月板かな?骨と違い伸びたり切れた靭帯は自己修復ができないため、周囲の筋組織が正常な関節の動作をサポートできるよう、徐々に鍛えられていくまでは、少々長めの期間、痛みを耐え忍んでソロソロ歩くことになります。
書いていて過去に痛めた節々が疼いてきましたが、長引くダメージから未然に身を守るために、あるいはあの痛みをもう一度繰り返さずに済むように、頚椎と首まわりを保護する "ネックガード・ネックブレース" 、膝の可動域を制限することで関節・靭帯損傷を防ぐ "ニーブレース" は (より重要な左膝だけでも) 身につけて損は、ほとんど、ありません。気軽に挑戦したいフランクな雰囲気のこのスポーツには少々お高い出費ではありますが、失われる時間と健康よりはまだだいぶ安価な投資です。
競技の上級者や長年の経験者は "無事此れ名馬" を体現するサバイバー。
長くこの競技に親しんでいる上級ライダーたちを観察すると、人によってはそこまでガッチガチのプロテクションを重視せず、自転車競技用の素手感覚のペラペラグローブや、肘当てもせず腕まくり、膝にもたいした装具をつけていなそうに見えたりもするかもしれません。
これはより鋭いライディングや自然なフィーリングを追求する上で、運動性と身を守る機能を天秤にかけた結果。長年の手応えから導き出されるそれぞれの (機能的な意味で) 好む出で立ちに行き着いた形であり、経験の浅いライダーが見た目重視で真似をするのはちょっとおすすめではありません。
駆け出し新参のあなたの上達への最速の道 = 怪我してお休みしないこと。
とにかくこの手の激しいスポーツに取り組み始めた当初は、休まず鍛錬を繰り返して・・・と言うとだいぶ堅苦しいですが、とにかく定期的に乗り続けること、その上で一歩ずつ着実に前進していくマインドを持つことも重要です。無理を重ねて長期離脱につながる怪我をしては元も子もありませんし、例えばもしあなたより10年キャリアの長い、目標とするライダーがそこにいるのなら、追いかけるのに悠長に休み休みってわけにはいかないはずです。相手もきっと成長し続けるでしょうから。
ではまた新年も、毎週金曜の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!
皆様よいお年を!