俊敏な体捌きとオーバーテイクを狙う前走者との距離感・位置取りに注目。
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ご紹介する動画はいずれも5年ほど前に公開された、客席視点と主観視点 + スローリプレイまでもがバランス良く編集された、非常に優れた映像です。
今日のコラムでは筆者お得意の余計な講釈を極力差し控えますので、読者の皆さんもしのごの言わず4〜5回は見返してみてください。エンジン音も各ライダーのスロットルワークなんかを推し量る重要なファクター。なので可能なら音アリでどうぞ。
確かに2人はトッププロ。目指す手本の究極形としてこの域を意識しては?
今日の動画どちらもに登場するレースナンバー1 (KTM) と7 (ヤマハ) の2人のライダーは、いずれも全米チャンピオン級の腕前を持つプロ・それもトップランカー。日本でもこのスポーツに関わるほとんどの方にはおそらくきっと多分?お馴染みのライダーたちですので、敢えて個々の紹介はしません。
西海岸の同じ州出身のふたりの年齢差は5歳ほどで、10代前半のアマチュア時代から15年とかそれ以上、全米各地のそれこそ様々なステージでバッチバチにやりあってきた "同業他者" 同士。仲が良いとか悪いとかの次元ではなく常に食うか食われるか、お互いの手の内や弱点を知り合った間柄です。
それぞれの動画の結末で転倒する彼らの "ギリギリライディング" は、アマチュアレースで目にする経験の浅いライダー同士の根拠なきトライが招いたエラーという結果とは全く次元が異なります。
経験に裏付けされた確信を持って + 長年知る相手を信頼し + キッパリと限界まで攻めた挙句、ほんの少し及ばなかった、と言うところでしょう。こんな場面、プロであってもヒートアップして後で殴り合いになったりすることさえありますが、逆の立場ならきっと自分だってトライするはずなのです。
どこまで寄って刺せるか・あるいは当てられたとしても潰れないためには。
我が国ダートトラック日常の、誰でも参加できる練習走行の機会で、ほとんど見知らぬ他人なんかにこの距離感で追いすがったりぶつけてコカして抜いたりしたら、いくら謝ったとしても多分、いや確実に嫌われる (ぐらいで相手からクチや手が出ず済んだらある種ラッキー) と思いますが、全員が同じ最終目標・・・フィニッシュラインに向けて走り出すレース = 競技中のインシデントとしては常にあり得ることです。
自身がどんなに寄せても相手を決して潰さず、不可抗力的に当てられてもググっと全力で堪えること。それを必要な技術のうちとして身につけること。ただ心地よく (ある意味漫然と) 走るより、モノにできるチャンスも、筋肉痛以外の土産なしで帰宅する可能性も、どちらも大幅増は間違いなし。"誇り高きアマチュアレーサー" として間断なく、長く活動するためには大変重要なことです。
筆者主宰のレース団体FEVHOTSでは、これまで7年間活動の主軸としてきたダートトラックレースの継続的な開催はもちろんのこと、来シーズンは本格的なレースへの参加をより安全に、しかも "より高度なお楽しみ" とするための、秘密特訓的プログラムを企画中。
やっぱこうなったら経験の多いライダーが、サンドバッグか射的のターゲット代わりにならないとシーン全体の大幅ボトムアップは望めないのかも。名指しでイベント内容ご相談中のみなさん、よろしくお願いいたします。ハハハ。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!