ロレンス編集部
再燃するKawasaki Z400FXへの想いに惑う大人たち 『RIDEX ライデックス カワサキ スペシャルエディション』より
それは春先の休日の昼下がりだった。
休日のツーリング先で、高校時代の先輩、神崎さんに出会った主人公。
彼の愛車、カワサキ Z400FX(フェックス)を譲ってくれたのが、ほかならぬ神崎さん。
とはいえ、実は彼はこの神崎センパイが苦手だった。どこがというわけでもないが、昔からなんとなくそりが合わない気がして敬遠してきたのだ。
しかし、神崎さんは後日彼に連絡してきて、飲みに誘ってきた。嫌ではあるが、断る理由もない主人公は誘いに乗る。すると、神崎さんは意外な申し出をしてくる。
「お前のフェックス、譲ってくれないか?」
青春の象徴”フェックス”
その時は断ったものの、FXと過ごしてきた自分自身の青...
ロレンス編集部
一瞬で19才のハートを盗んだ黒くて速い風。 『Go with your Heart』 RIDE 84より
真菜は19才。
友達といても感じる退屈から逃げ出して、湘南に一人で出かけたものの、結局退屈から逃れることはできない。なぜ退屈を感じるようになったのか、それは分からない。何も理由はないのである。
しかし、理由なく訪れる 十代の退屈 は深刻だ。本来、どんなことでも新しい体験は待っているし、刺激的な遊びも知的な喜びも、そこらじゅうにあるはずなのに、感じてしまう退屈。
それは日常に倦む停滞感。時間が経てば解消するものであることが多いが、1日が長い若い時期には、それは恐ろしく苦痛である。
少女の退屈を吹き飛ばした黒い風。
そんなとき、真菜は出会うのだ。一陣の黒い風に。
そう、黒くて、角ばった、巨き...
ロレンス編集部
止まっていた時間。再び動かしたのはRZ350の極上の加速。〜『東本昌平 RIDE 33 Purchase it』より
自分を捨てて消えた男を追って、マッハに乗って全国を旅する女のストーリーを紹介した。
女はキャバクラで働きながら金を貯めては、男の影を目指して次の街へとマッハIIIを駆っていく。
男を追うのかスピードに憑かれたのか。マッハを駆るイイ女。 - 『RIDEX ライデックス カワサキ スペシャルエディション』より - LAWRENCE(ロレンス) - Motorcycle x Cars + α = Your Life.
東本先生が描く女には、どこか エロティシズム がある。モーターサイクルを描くのと同じように、実に緻密で精細なラインで描き出された彼女たちは、漫画的なデフォルメはなく、リアルな美し...
ロレンス編集部
30歳を前に日常を振り捨ててゆきずりの女との逃避行をした、男の”気分”とは - 『BLUE HEART ROCKET BOY ON RED ROSE SPEEDWAY』(モーターマガジン社 / RIDERより)
予告なく訪れたきっかけを手にして日常を捨ててしまった男女
忘年会シーズンもそろそろ終り。クリスマスも過ぎ、酒や煙草の匂いに辟易している方も多いのではないか?
年末の東京は、タクシーを停めるのに一苦労する混雑ぶりだが、正月になれば一気に車は減り、澄み切った青空と、冷えて凛とした空気を味わうことができるだろう。
今回ご紹介するのは、東本昌平先生の短編集『RIDER』(モーターマガジン社)の一編。「BLUE HEART ROCKET BOY ON RED ROSE SPEEDWAY」だ。
主人公奥田吾郎は29歳のサラリーマンなのだが、宴席の”オヤジたち”がもたらす空気の中で、我慢するでもなく同...
ロレンス編集部
男を追うのかスピードに憑かれたのか。マッハを駆るイイ女。
東本先生が描く女には、どこか エロティシズム がある。モーターサイクルを描くのと同じように、実に緻密で精細なラインで描き出された彼女たちは、漫画的なデフォルメはなく、リアルな美しさを持っている。
エロさを感じさせると同時に、彼女たちの多くは男どもをハッとさせる強さを持っている。男に媚びる狡さをちゃんと持っているくせに、それを意識して使う図太さ、オンナのしたたかさを隠さない。そして、時として男がいなくても一人でどこかに行ってしまう気ままさが、男たちを戸惑わさせるのである。
要するにだ。一言で言えば、東本昌平先生が描き出す女性は、実にいい女ばかり、ということなのだ。
The Red Snak...