2気筒より450の方がタイム出てる、とかそういう問題じゃないと思う
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。7月に行われた2つのAFTイベント、デュコイン・マイルとウィリアムスグローブ・ハーフマイルを例に、各公式リザルトから出場台数を数えてみます。
デュコインマイル
スーパーツインズ: エントリー16台・決勝台数15台
450シングルス: エントリー27台・決勝台数17台
ウィリアムスグローブ・ハーフマイル
スーパーツインズ: エントリー18台・決勝台数17台
450シングルス: エントリー23台・決勝台数16台
プレミアクラスである2気筒スーパーツインズは決勝台数からほんの1台2台が予選落ちするくらい、それに対して450シングルスは決勝フルグリッドの1.5倍くらいのエントリーが集まっています。感覚的なイメージですが、ここ数年は通年でこのくらいの参加比率になっているのじゃないでしょうか?
この数字を取り上げて、ツインズは予選落ちも出ないくらい母数が集まっていない=それなら全車450ccに統合して1カテゴリーで走らせたら?決勝台数の倍のエントリー数が見込めるよ!というのは早計も早計、50年以上続いてきた伝統の2気筒カテゴリーを廃止なんぞしたら、長年のファンの一部は確実に離れていくことになるでしょう。
確かに1周のラップタイムなんか450ccの方が完全に速かったりしますけどね、(主に) 日本製の色とりどりのプラスチックで覆われたMXバイクをベース車両にしたDTX車両の訴求力が本場のファンにはあまり高くないこと、ROTAXを筆頭にしたフレーマー様式からそちらへと乗り換えさせたかつて幾度かのルール改訂による分岐点で痛いほど思い知ったのではなかったかしら?
市販2気筒エンジンをベースにエンジンチューナー・マシンビルダーがその経験を生かして独自の "競技車両" を組み上げ、150kg級の車体に出力100馬力に迫る創意工夫の塊を積み込んで、直管マフラーが轟音を上げるなか、真に選ばれし者たちだけがそれを御すことができ200km/hを超える世界で勝負する・・・どっちかと言うとこれぞ総合的な意味での人間力の戦い、ということなのじゃないかと思うのですが。え?ノスタルジーなの?

あの時借りて乗った"GNCで決勝残れる仕様"の450はツルシとまるで別物
今を去ること15年前、2009年秋のカリフォルニアで、筆者ハヤシは "完全GNC仕様の450ccDTX" をなんとロハで借り受けて、1周650〜700mくらいの "ショートトラック戦" に参加する好機をいただきました。いやもうホントに幸運な、夢のような体験だったんですけど。

ここで借りたGNC27のロバート・ピアソン車、彼がその年のGNCで1年コキ使ってきて若干くたびれ気味?だけどまぁ一線級の車両だったんですが、イチから作って新車のYZ450Fがヨユーで3台買えるくらいのお値段だったらしいです。このマシン作って弄って筆者の参戦時にも身の回りの世話までしてくれたメカニック氏につい昨日メッセンジャーで質問して聞いたばっかりなので多分ホントの話。
エンジン内部もキャブもマフラーもサスペンションも何もかも、ツルシのMX車両はもちろんの事、日本で走ってる中身ストックに近いDTXマシンともちょっともう雲泥の差のパフォーマンス、というか免許区分違うんじゃないの?みたいな (比喩ですよ) 。帰ってきて自分らのストックエンジン車に乗ったらビックリガッカリ意気消沈しましたもんね。
多分今AFTを走ってる車両も相当アレコレやっていると思います。速くする、というだけじゃなく、このスポーツで扱いやすく安全に高いレベルで競い合う車両に仕立てるために、です。聞くところによると決勝残りたいならマフラーとECUチューンだけで最低10,000ドルくらいかかるとのこと!
このクラスがエントリーユーザー向け?登竜門?
道具を使うスポーツは難しいですネィ。
コスト削減を声高に謳うなら、100ccのストック車両縛りとかで競うかね?
日本人の心意気として?一寸法師の昔話みたいな、柔よく剛を制すみたいな、150m級のオーバルで100ccのノーマル車に乗って、450ccDTXをブチ抜いてチギってやったぜ!みたいなカタルシスに溺れがちなんですが、それより私は450ccとか大排気量単気筒とか、なんならツインでも、かな、それら猛々しいマシンをまるでヒャクみたいに扱って競い合える方が懐が深い気がするんです。小さい単気筒でシリが擦り切れるまで走りまくる芸風だって、もちろんそんな嫌いな訳ではありませんが。

あくまで現地のウワサがネタ元のフワフワした話題なんですが、ちょっと心配な雲行き。
さてどうなりますことやら。
どうもならないと良いなぁ。
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!


