生産終了しても出力制限しても改造不可ルールにしても勝ちまくる・・・
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。先般開催されたAFT第12戦ラピッドシティ・ハーフマイルでは、負傷欠場するダラス・ダニエルズの代役として参戦したJD・ビーチが自身初の1/2マイル戦勝利とヤマハに今期3勝目をもたらしましたが、ここまでの他メイカー戦績はKTM2勝・インディアンFTR750が6勝と、例年同様大きく差を付けています。今期はFTR750 "のみ" に対し、エンジン内部には出荷時状態からほとんど手を加えられない、という厳しい規制が課せられているんですが・・・。素性が良すぎてほぼ効果なし?
フライホイールもクランクシャフトもクラッチ一式も純正出荷時の仕様から変更不可、吸気側リストラクター (吸入量抑制板) 取付必須、最新トレンドのリアヘビーホイールも厳密に重量規制・・・出力抑えたほうが却って扱いやすいのかも?パフォーマンスのアグレッシブさは薄れましたが、どのFTR750もスムーズさが増しているような気もします。
ハーレー指向、というよりFTR以前の群雄割拠時代の再来を目指したい?
インディアン排除の雲行き、というとハーレーダビッドソンのXR750後継機・XG750R (こちらもレース専用エンジン車) になにがなんでも勝たせたいという "見えざる力" が働いているだけ?という皮肉な見方もできますが、それよりなにより1台5万ドル x 2台 (かそれ以上の予備車) ・レースリグ = バカでかいセミトレーラー型トランスポーターとホスピタリティブース・多くのチームクルー・転戦に纏わる移動費宿泊費・・・シリーズ出走にかかる十分な資金力を用意しきれないチーム・ライダーの多くがフル参戦を断念することで、エントリー台数が大幅に減少し (時には映像配信対応で相当シェイプアップされたレースフォーマットが成立しないほど) 、特にシーズン後半はその動きが顕著なため、有料視聴者数やスポンサーとの関係を重視するAFTとしては、大ナタを振るう必要に迫られている、といったところが事の本質なのでしょう。
この美しいドゥカティGT1000マイラー (筆者イチオシ) 、カワサキ・ニンジャ、トライアンフ・・・あるいは今日のKTM、ロイヤルエンフィールド、ホンダ・トランザルプ、ヤマハMT-07などなどなど・・・ここにハーレーとインディアンが現行市販車エンジンベースの新マシンを送り込むことができれば、FTR750常勝時代の少し前、様々な市販車がシノギを削り、まさに群雄割拠だったカラフルな大乱戦時代を再現することは、今ならまだ可能かもしれません。
聞くところによれば、この8月に来期以降の方向性についてなんらかの動きがあるようです。残り4戦となったシーズン終盤、最高峰クラスのエントリー台数は地を這うばかりでかなりの惨状ですが、ここらで前向きなアイディアが示されることを大いに期待したいと思います。
正しく競争原理が働くと、シーンは自ずと育ってゆくはず?天と地ほども次元は違いますけどね。あちらのローカルレースばりにこのあと即掴み合いが始まるのを日々微笑ましく眺めております??
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう。
皆さまには素敵な夏期休暇を!