AFTフルタイム参戦からリタイアした "激烈サミー" は旅するレーサーに?
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。 "Slammin' Sammy" の異名をもつサミー・ハルバートは、2004年のプロデビュー以来長年にわたり全米選手権で活躍。非公式な記録としてですが (単気筒450cc戦と2気筒戦をシリーズとして統合するとかしないとか主催サイドの方針がブレブレだったため?) ホボ全米チャンピオン級のシリーズポイントを獲得した経歴をもつ、一時代を築いたトップランカーのひとりです。
昨シーズン限りで全米選手権へのフル参戦からは退いたサミーですが、リタイアしたライダーのご多分に漏れず?マシンとタイミングが整えばスポットでAFTのレースに出場したり、イタリアはタヴッリアに所在するヴァレンティーノ・ロッシのプライベートトラック "モトランチ" での100km耐久TTレースに参加したり、自由気ままに引退後の生活を楽しんでいるような発信を多く目にします。
全5戦?のFIM世界選手権にGASGASのMC450Fを駆って出場することに!
昨年までの数シーズン、我が国からは大森雅俊選手もチャレンジしたFIM世界選手権ですが、今年2023シーズンは全5戦・・・イギリス→ハンガリー→イタリア→チェコ→フランスでの開催が予定されており、主にスピードウェイ競技用のショートトラック・オーバルを使って競われるようです。
ヨーロッパには日本と同様、ダート路面の1マイル競馬場とか、4輪レース用の1/2マイルダートオーバルが存在しませんので、開催場所としては妥当な選択と思われますが、土質がアメリカンスタイルのフラットトラックとはだいぶ違う?上に日頃多くの車両が走って鍛えられている主要な走行ラインも大きく異なるため、それらの条件に対応したライディングの修正が求められるはずです。
サミーはここに、(おそらくイタリアの?) VFR Racingというチームからの支援を受け、GASGASのMC450F (KTMグループなので450SXとかハスクバーナFC450とほぼ同格) を駆って出場します。
というか開幕戦イギリス・ラウンドは先日8月5日にすでに開催され、昼まで雨が降り続いたトラックで夕方からなんとかかんとかレース進行がスタートし・・・ご覧の通りのドロドロなコンディションですけど・・・サミーは11カ国から集まった28人のライダーたちのなかで3位表彰台を獲得した模様。公式レポートとか写真とかプロモーションが極めて手薄なシリーズなので詳しい情報はなかなか得られないんですが (レース動画とかも一切見つからない・・・) 、かなり筋肉質ですけど身長160cmのチビっ子で日本人の標準体型にも近いサミーの活躍、注目してみるのもよいかもしれません。そのまますぐに参考になるかはわかりませんけど。
ちなみにかねてより彼の好みである一文字ハンドルバー、アメリカだと西海岸系のライダーがよく選択するMITAS製フロントタイヤは、本人の希望で自国から持ち込んだものだろうと思われます。
初チャレンジで3位だったら・・・近くてっぺん獲得も期待できるかも?
今回開催のイギリス以外、地続きで移動できるヨーロッパのライダーたちに対し、レースのたびに海を渡って戦いにいくサミー・・・それだけですでに相当分が悪い挑戦ですが、どうやら初戦から幸先良いスタートが切れたようですし、あるいは彼の地の流儀に素早く適応し、本場のプライドを見せつけてくれるかもしれませんね。
しかしこのワールドチャンピオンシップ、公式HPもSNS発信もホントに手薄でして・・・昨年ここで戦っていた我らが大森選手も、さぞ自身の活動アピールに苦戦したのではないかと推測します。
今年もおそらく選手本人のレポートと数点の写真から第一報を得ることになりそうですけど・・・大風呂敷広げてシリーズ戦を開催するなら、そこらへんきっちり充実するといいと思うんですけどね。
次戦ハンガリー・ラウンドは9月10日開催予定とのことです。
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!