世界を揺さぶる忌々しい感染禍が未だ巻き起こる前の昨年1月、今から68週間前。毎週金曜の定期更新をチビチビと刻んだひとつの節目である100回目の当コラムにて、筆者ハヤシは "今から10年のうちに、自前のプライベート・ダートトラックを1から作って所有したい!" とキッパリ?宣言しました。以来残念ながらあちこち出歩きづらい状況は続いていますが、筆者が今現在どんな物件を理想形として捉えているか、今日はこれからの具体的なビジョンを交えつつ?お話ししたいと思います。

音出しOKで東京ドーム●個分の平坦地・・・しかも都会から●時間???

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。私有地でプライベートなバイク遊びをしたいだけ、と言ってみるのは簡単ですが、他種目と比べて "音圧高め" のダートトラックを、隣人が近い・閑静な場所に求めるのはそもそもだいぶ無理がありそうです。10年経ったら電動モーターサイクルが主流になってて問題なくなる?いやそんな、まさか。

オーバルトラック造成にピッタリの平坦地・・・廃校とかグラウンドなんか抜群に良さそうですが、それらは大なり小なり集落にほど近い立地であることがほとんどですし、200〜400m級トラックを整備するなら、パドックエリア?観戦スペース?にはおそらくそれと同等の広さが必要になります。加えてレースイベント的な集いを想定するなら、敷地内に少なくとも100台分の駐車スペースは確保したいところ。

画像: これで400m級。本場の "ショートトラック" です。もてぎもこのくらいあったということか・・・。

これで400m級。本場の "ショートトラック" です。もてぎもこのくらいあったということか・・・。

無用の近隣トラブルを避けたいならば、音や埃もそうですけど、余所者ナンバー車がウロウロしても眉をひそめられない場所選びも重要かもしれません。全くの没交渉というわけにはいかないわけですから、地域への良い意味でのインパクト?も考慮しなければならないでしょう。感染禍の現状が好転し、越境しての行楽そのものへのハードルも下がることがもちろん大前提になっちゃいますけどね・・・。

また、フラットなトラックの維持整備には日頃から大量の水が必要です。雨水利用では賄いきれませんし水道水をドバドバ使うのも現実的ではありません。小川や用水路などの水源が近くにあること、また路面整備に役立つ各種重機を受け入れられる敷地アプローチ・立地であることも求められます。そう考えると、歴史的に見てもいかにダートトラックレーシングが田舎向き・農業地帯で育まれてきたものなのかを伺い知ることもできますね。まぁ呑気にお勉強してる場合でもないんですけど・・・。

画像: 後ろ向きギラギラの作業灯があれば夜でも撒水できますなぁ。客席と照明設備もなきゃダメだろなー。

後ろ向きギラギラの作業灯があれば夜でも撒水できますなぁ。客席と照明設備もなきゃダメだろなー。

"COVID-19以降" の世の中が、どうこれまでと変わっていくのかはまだまだ見通せない状況ですが、ヒトの集い、という観点からすると大都市圏から日帰りできる距離・・・慣れれば近くなるとも言いますけどまぁ3時間台が限界?・・・あるいは前泊とか後泊してでも行きたい場所、に育ってもらうかだなぁ。

ちなみに東京ドームは建築面積で14,000坪・グラウンド部分だけで4,000坪です。広さを表現して "ドーム●個分" というときはどっちのイメージなんでしょうね?ものすごーくざっくりですけど、正しい200mオーバルはだいたい1,500坪・400mオーバルだと6,000坪くらい必要かな?もちろんマシンのブンブン走るフィールドだけで、ですよ。

平坦地、狭いニッポンなかなかありません。でも、ごく稀に見つかります

音のこと、水のことは地図や航空写真を見ただけである程度は判断できますが、一番やっかいなのは我々ダートトラッカーがホントに真っ平らな地面を求めていることです。水捌け、日照なども含めて通年で維持できる環境なのかとか、ここは山林の木々を切り倒して抜根して整地するようなのかなとか・・・極端な話、普通に10,000坪の土地が売りに出てても平場って半分あるかないかですからね。たまにまあまあいい感じの物件もありますけど。まだちょっと見に行ったりしづらいしなぁ。

といった感じで10年計画の1年目が過ぎ、まだ足踏みっちゃあ足踏みのままですが、やる気は継続中なので話半分で?いやいや長い目で?ご期待ください。もう少し状況が落ち着いてきたら、約20,000坪の物件をひとつ見に行こうと思っているところです。接道よし・立地よし・水源確保?音は多分平気。東京から高速つかって2時間圏、かな。

ちなみに本日トップの写真は国内某所。蹄の跡が沢山ありますけど最近は使われてない馬場、です。

画像: こんな "キチっと呑気" な雰囲気のローカルレーストラック、いつか作れるのかな。客席も含めてね。

こんな "キチっと呑気" な雰囲気のローカルレーストラック、いつか作れるのかな。客席も含めてね。

いやー、美しく速く走るのももちろん簡単じゃないけれど、優れた場所と空間を育てることはそれ以上の困難かもなぁ。だがそれが良いぞダートトラック。やめられませんねぇ。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

画像: 平坦地、狭いニッポンなかなかありません。でも、ごく稀に見つかります
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