本場アメリカでプロとしてダートトラックレースの選手権に出場する方法、明文化されたルートみたいなものがあるようでなく、わかる人にしかわからないし米国人か少なくとも英語圏出身者でないとそれだけでハードルが恐ろしいほどバーンと跳ね上がる、外様にはブラックボックス的な世界・・・という状態がこのところ10年以上続いていましたが、来期2026シーズンからは特定のAFT選手権レース開催日の前日に行われるアマチュア戦にて、ほぼストックエンジンの450ccマシンを用いる真の登竜門的クラスが設定されるようです。

このチャンスに我が子をバッチリ仕込んで全米選手権へと送りこもう???

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。半世紀を優に超えて連綿と続く全米プロダートトラック選手権の世界で、アマチュア・プライベーティア・弱小あるいは新興チームにとって、限られた資金とチャンスを十分に活かし、新たなスター (候補生) を見出し、次なるレベルの舞台に送り込むことは、このコミュニティの圧倒的な人的ストックとそれに対する限られたシート数もあってなかなかに至難の技です。

日本で暮らす我々が知る由もない "スポットライト待ちの金の卵たち" により多くの機会を与えるべく、今日 "アマチュアレースを仕切らせたら全米イチ" のポテンシャルを持つコリー・テクスター・プロモーション (2週前のコラムで紹介済み) とAFTが協働し、2026シーズン全16ラウンド中の実に7戦・・・の前日に、全10クラス以上からなるフルラインナップのアマチュアシリーズ戦を開催し、そのうち "若手の" 450ccクラスにおける上位者を段階的にAFTプロクラスへと引き上げていく、という戦略的プログラムを設けることの概略が、現地時間のつい昨日に正式に発表されました。

このスポーツの未来のために新たなライジングスターを見出すのが目的なわけで、おそらく対象年齢は30歳以下とか年齢制限が設けられるでしょうから、今からウチのチビどもを厳しくシバき上げて、そうですね中学校に入る前くらいまでにフルサイズの450ccに乗ってそこそこ競い合えるようになれば?もしかしたらプロクラス狙えるかもしれないなぁ。いやいややりませんけどね。ただでさえお笑いの養成所いきたいとかパルクールの大会出たいとかダイビングしたいとかバイク乗りたいとか、日替わりで夢と希望がコロコロ変わるようなお年頃なんで。まだまだ今じゃない、でしょう。早いうちからそうやって動くのもそれもそれで面白そうですけどもね。

カスタム車女子ワンメイクとかアドベンチャークラスに比べたら企画良好!

過去数年、新たなファンの獲得と選手層拡大を企図して迷走 (いや瞑想だったのか?) を続けてきたAFTですが、今回の伝統的な正攻法による枠組みはしっかり芯を食った企画のように感じます。コリーって確か大学で経済学とか経営とかスポーツマネジメントとかを学んでたんじゃないかと思いましたけど、現役第一線を退いた途端にバリバリ精力的に動いてて素敵。もしもマーケットがあるなら私も是非に真似したいところですが・・・この国ではちょっと違う切り口が必要なのかもなーと思って策を練っている昨今。いーのいーの楽しけりゃいいじゃんの方はどうぞそのままお続けいただいて。

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!