ボタン1発のセルモーター式と併用でもない限り、キックアーム取り外して他の方法でエンジン始動させようと考えるヒトってかなりの希少種?いやいやあちらじゃ結構マジョリティみたいですけど。

"平易な始動方法" と "よりよく走るための機能性" はイコールではない?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。一般的にはマシンのエンジン右側に配置されていて、跨って右足で操作することの多いキックスターター・アーム。旋回中のレイアウト的に市販車よりも下の方にブレーキペダルを位置付けたいし、カチっと制動!と言うよりジワワ〜っと効かせてトラクションとか走行ラインの微細なコントロールに使いたいから社外品の "効かないブレーキ・システム" に置き換える機会も多いオーバル走行用マシンとは、限られたスペースの奪い合い、という面であまり相性が良くありません。

ギリギリのクリアランスを確保して・・・あるいはステップポジションを少し我慢して・・・なんとかそれら相反する条件をクリアしようと考えるのはメイカーや我が国の細やかな "バイク屋さん" 的発想ですが、あちらのレーシング界隈ですと機能面でより優先度の低いものはとっ外して我慢、となるのが通例の合理性のようです。

まぁ走り出してしまえば必要ないものだし、どちらがより重要か、両立させるほどの事か、と天秤にかけて簡単な解法を得てるだけと言えばそれまでなんですが。シンプルで明快な手法だと思います。

押しがけスタートかクランク直接回し、はやっぱり理にかなってる

キックスタートのシステムは走行中の車両には特に何の恩恵も与えませんし、排気量や圧縮をあげたりチューニングを施したマシンをガシガシと蹴飛ばしてエンジンスタートすると思いもかけないメカニカルトラブルを引き起こす可能性も排除できません。筆者も駆け出しのころ、250cc単気筒エンジン車でエンジン内のキックギアを砕いたことがありますし、周りでもちらほら、キック由来のアクシデントの場面を見かけました。エンジン始動の一般解ではあるけど、走り出したら止まらない (止めない) 短距離レーシングにおいては、排除してもなんとかなるように組み立てることができるはず、なのです。セッティングさえ出てれば押しがけだって良いわけですし。

一度使うとキックスタートより100倍くらい理にかなってて手持ちの全車に取り付けたくなりますよリモートエンジンスターターの差し込み口。果たして我が家への導入はいつになるのでしょう???

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!