2000年代初頭、motoGPに活躍の場を移す前の数年間にニッキー・ヘイデンがAMAダートトラックで駆ったホンダCRF450Rは、鼻息を荒くした鳥のカートゥーンがあしらわれる、風変わりで印象的なデザインでした。モトクロスとロードレースのUSホンダ・ファクトリーチームに由来するこの "最も成功した2輪レース界のマスコットキャラクター" は、後にも先にも類を見ない、他業種企業との極めて意欲的なパートナーシップによるものだったのです。

Mr.ホースパワーとかロードランナーとかじゃなく "ウッドペッカー" です

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。2001年シーズン、アメリカンホンダはモータースポーツ部門において、ユニバーサルスタジオとの戦略的な相互提携を結ぶと発表。ユニバーサルが所有する人気キャラクターのひとつ "ウッディ・ウッドペッカー" を、モトクロスとロードレースのファクトリーチームのチームマスコットとして使用し、またユニバーサルスタジオはチームとそのライダーに関する商標権をもって、様々なプロモーションアイテムを展開し、新たなファン層の獲得を目指すものでした。

おかしな鳴き声が特徴のウッドペッカー、着ぐるみになるとちょっとおっかない?ですが、赤い髪のこのキャラクターがホンダ・レッドライダースのウェアやマシンにもあしらわれると、その意外なケミストリーは爆発的な人気となり、数多くのコラボレーションアイテムを生むことになります。

2001年シーズンのホンダファクトリーライダーの顔ぶれは、ロードレースがニッキー・ヘイデンとミゲル・デュハメル。モトクロスチームがセバスチャン・トーテリ、エズラ・ラスク、ライアン・ヒューズ。のちにはリッキー・カーマイケル、エルネスト・フォンセカ、ジェレミー・マクグラスらもこのグラフィックスのマシンを駆って人気を博しました。

背景にウィングマークが加わるのはパートナーシップ最後期のバージョンです。また年イチ開催のモトクロス国別対抗戦 "モトクロス・オブ・ネイションズ" でのアメリカ代表チームのホンダ車は、このデザインでチェッカーフラッグ部分が星条旗に置き換えられたデザインでした。

80年代以来ファクトリーチームが活動していなかったダートトラックレースシーンでは、AMAスーパーバイクで一旗揚げたニッキー・ヘイデンが、そちらでのメカニックを引き連れて準サポート待遇のCRF450Rで走ったのが唯一の公式な登場でした。というわけでダートトラックカテゴリーでは、ウッドペッカー = ニッキーというイメージが今でもとても強いのです。

かつてはタバコ&ビール、今はエナジードリンク、異業種コラボの将来は?

かつて (前世紀・・・) 栄華を極めたモータースポーツ界でのタバコ&ビール広告。今日ではエナジードリンクメイカー各社が大口スポンサーとなる場面がそれに取って代わっていますが、両者の端境期に鮮烈な印象を残したホンダ + ウッドペッカーの組み合わせは、これからもきっと忘れられることはないでしょう。(ちなみにこの2001年、同ファクトリーチームで映画ジュラシックパーク3とのコラボレーション版も数戦あったのですが、そちらは探しても写真すら見つからないという・・・)

このグラフィックスは今でも復刻・現行モデル用をインディアナ州ココモのThrottle Jockey社で入手できます。

モーターサイクルやモータースポーツと一見遠く離れたエンターテインメント業界とのマッチング、おそらく新規ファン層の獲得に大いに役立ったことでしょう。メイカーレベルでの大きな話でなくとも、今後我々がどんな人たちに向けてアピールし "青田買い" を繰り広げていくべきか、考えるきっかけになったりならなかったり?するような気がしてなりません。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!