佐藤琢磨選手がインディ500で歴史的な二勝目を上げた先週日曜のさらに数日前、AFTはインディ500会場からほんの15分のステートフェアグラウンド・1マイル競馬場で、第3・4戦"インディマイル"を2日連続の強行日程で (キープディスタンス / COVID-19対策済の名の下に) 開催。第4戦の3位表彰台にはついに!名チューナー・ハワートンが手がけ、ブライアン・スミスのライドするハーレーダビッドソンファクトリーチームXG750R"レボリューションX"が食い込み、長い迷走期を抜け新たな栄光の舞台へ向かう狼煙?を上げました!

"マイルマスター"ことブライアン頼り・・・といえば、まぁそうかも?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。読者の皆さんの中にはすでにこのニュースを目にした方もいらっしゃるはずなので、本稿ではちょっと趣向を変えて、決勝レースデータを元に新生XG750R・3位入賞を分析してみることにしましょう。

今年から採用の新レースフォーマット "15分 + 2LAPS制" により今回の決勝周回数は24周。上のラップチャートを参照していただくと、XG750Rのブライアン・スミス (レースナンバー4) は、インディアンFTR750を駆るディフェンディングチャンピオン、ブライアー・バウマンとジャレッド・ミース (レースナンバー9) を相手に、最終ラップまで首位争いを繰り広げていたことがわかります。

ともにハーレーダビッドソン・ファクトリーチームで走るジャロッド・バンダコイ (レースナンバー20) 、ダルトン・ゴーティエ (レースナンバー79) は10位前後に終止しているため、3人のなかではスミス + XGのパフォーマンスがただひとりだけ突出していることは、やはり疑う余地がありません。

夫々の順位の差を生む違いとはどの程度なのか、次にラップタイムから探ってみましょう。

序盤からファイナルラップまでトップ集団を形成し、表彰台に立つことになるバウマン・ミース・スミスの3者だけが、1周1,600mのトラックで (静止スタートの1周目以外全周で) 38秒台を刻み、平均ラップタイムも揃えてきています。他のほとんどのライダーの平均は39秒台+ 。1,600mトラックでの1周わずか0.5秒のビハインドは、距離にすれば実に20mのディスタンスです。この差は大きい。

オーバルトラック1周を前半・後半のセグメントに分ける (ちょっと変わった形式の) ベストラップタイムチャートを見ると、ブライアン・スミスの前半部ターン1〜2のタイムは飛び抜けたものではありませんが、後半セグメントの伸びで挽回。フィニッシュライン目がけて見る見る間を詰める "マイルマスター" らしい老練な戦術によるものかもしれません。

また最高速は出走した全18台中、スミスのXG750Rが211.8km/hで最速。小柄で空力面に有利なこと、2016年にリック・ハワートンとのタッグで王者を獲得したカワサキ時代からのマシンデザインの蓄積が呼ぶものなのか、他の2人のハーレーファクトリー車とは6km/hほどのギャップがあります。つまりこの点でも1周ごとに50mほど水をあけることに成功しているわけです。

次節 "栄光のスプリングフィールド・マイルWヘッダー" での活躍に期待大!

今回のインディ・マイルは伝統的に決勝 = ナイトレースとされ、ヤマハTZ750マイラーを駆るケニー・ロバーツのころからほとんど変わらぬ薄暗い照明が、古き良き時代を彷彿とさせますが、今回路面の仕上がり具合はちょっとイマイチ?という見立てもあったようですが。本戦を詳しくご覧になりたい方は今ならYouTubeで "決勝以外ぜんぶ" を無料視聴することができます。うーむ、とんだビジネスモデルだなAFTよ・・・。まぁそのお話はまた今度。

2020 Indy Mile II - American Flat Track

youtu.be

9月1週目に予定される次節、イリノイ州スプリングフィールドでの伝統のマイル戦 (しかもまたWヘッダー!) では、いよいよオレンジ色のXG750Rがインディアンどもをやっつける、熱い勝負が期待できるかもしれません。やはりハーレーが躍動しないと、雰囲気もの足りないですかね。楽しみ!

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!