我が国では、COVID-19由来の緊急事態宣言が (首都圏以外の各地から) 徐々に解除される流れとなっていますが、ダートトラックレーシングの本場アメリカでも、もう一時も我慢のできない人々によって、先週末あたりから局地的なローカルレースシーンがソロソロと動き出しているようです。それぞれの価値観は幅広く、思惑にも大きな温度差があることを念頭に、本日は "第一波ピークアウト以降" の世界における、クローズドトラック・ライディングの新様式の一例をご紹介しましょう。

のっけからお詫びと釈明?もとい競技主催者でもある私の経験からのお話。

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。

まずはじめに、ささやかながら競技会形式の集まり = レースイベントを10年近く運営している私自身の立場としては、今回の感染渦への前向きな対策にはあまたの手段と程度があるとはいえ、ウィルスそのものの本性と完治への道のりがいまだ不明瞭であり、医療への負荷が平常時をはるかに超えた状況であると日々聞こえる現在、"何月何日に楽しい楽しい競技会を開催しますので、各自万全の対策とご準備のうえ、ウキウキしながらご参集ください" とは、残念ながらまだとても言えません。

県境を超えての "必要火急ではない" 移動が感染リスクの一因を為す以上、人が集まる = 人を集めるイベントを企てることは、未だ全力で避けなければならない状況のはずです。物事の本質より他人の視線を気にしすぎだとお考えの方もいるかもしれませんが、それはまったく次元の違う論点です。

もし私がこの週末にレースイベントを主催すると仮定したとき、ちょっと熱っぽい・ちょっと咳が出る・なんだかイヤな予感がする ("I have a bad feeling about this...") けど、STAY HOMEのせいでずいぶん長くバイク乗ってないし or レースしてないし、ちょっと無理して行っちゃうぜ!という危険な参加者は、います。 あなたはそんなことしなくても、隣の方はもしかしてその筋かもしれません。

筆者主宰のレースシリーズに参加する競技者の皆さんには、申し込み用紙にご自身の既往症を記入いただくことにしていますが、生命に関わる場合があると一般的に認知されている持病をお持ちなはずなのに、毎回そこを空欄で提出するライダーを私は知っています。そのライダーはまた、持病のあることを周囲にも一切伝えてはいません。同好の士の集いだからといって、誰もが100%、気の合う仲間たちには自分自身を曝け出しているという考えは、甘い夢想です。

気を取り直して南カリフォルニアの由緒ある常設オフロードトラックでは?

といってもイベントに集うということではなく・・・個人的に乗りたい気持ちの高まり、がここしばらくオーバーレブに入りっぱなしなのは、モーターサイクル愛好家なら誰しも同じでしょう。我が家の長女にも2歳半のお祝いでつい先日、伝統のヤマハPW50を買い与えましたが、いつになったら乗れるのかと連日ワァワァ騒いでおります。でもキミね、アメリカに注文した最小サイズのMXブーツがもう何ヶ月もシカゴの空港で止まってるんだよ・・・。これもウィルスのせいだけどね・・・。

さて、本題に入りましょう。
ダートトラック競技の本場アメリカには、一般公開され練習可能なオーバルトラックはあまり多くないため、ここではオフロードカテゴリーつながり、ということで南カリフォルニアのとある著名なMXトラックを例に挙げます。平常時であれば金曜〜火曜が営業日 (平日9時〜14時・週末9時〜16時) 、水・木はトラックプレップ (路面整備) 、AMAアウトドアMXも開催されるメイントラック・初心者&オールドガイ向け・キッズ専用と様々な用途に応えた充実の内容、由緒ある一大会場です。

こちらの全施設、カリフォルニア州下の制限により、COVID-19感染拡大防止のため3月21日からクローズしていましたが、去る5月1日から以下のような "必須条件つき" での営業を再開しています。

- COVID-19感染の兆候・その可能性がある者は敷地内への入場を認めない
- すべての来場者は自前の顔面を覆う装備 (マスク・フェイスシールド) を必ず持参すること
- すべての来場者は乗車用ヘルメット着用時を除き、常に顔面を覆っていること
- 来場者はそれぞれ最低でも3メートルの間隔をもって駐車すること
- すべての来場者はいかなる場合でも他者と1.8メートル以下の距離に近づいてはならない
- 同行者以外の者と集うこと・グループトレーニング・講習/スクーリングは一切禁止とする
- トイレおよび共用エリアは消毒済みであり、使用後は整理整頓と清潔の維持に留意のこと
- 来場し、各トラックを走行し、その後は可能な限り速やかに施設から退出すること
- 上記ルールを遵守できない者は、施設外への即時退去を命じる場合がある

これらのルールが現地でどの程度守られているのかは知る由もありませんが、なかなか厳格です。週末などの来場者が多い場面では、走行台数の調整などもしっかりと行われているとか。いやはや。

受傷リスクと同様、これからの季節は熱中症にも十分気をつけましょう!

大規模イベントやプロスポーツのみならず、高校野球やインターハイも中止が決まったこの夏、梅雨を前にした我が国では、爆発的増加もなく制限がいくらか緩む方向に進んでいるわけですが、視野を広く見渡せば、昨日5月21日24時間・世界での新規感染者数は過去最多の10万人超えとのこと。

集わずできること、今こそ充実できることを見つけて維持拡大し、この一大事の "その後" に備えましょう。しかないですもんね。ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう。