ロレンス編集部
【1/100の映画評】クロエ・グレース・モレッツの魅力を引き出せているか?『フィフス・ウェイブ』
人類を滅亡させ、地球を乗っ取ろうとする謎の地球外生命体アザース。文明が崩壊し、99%の人類が死に絶えた中で、わずかに生き残った人間たちはアザースを撃退する方法を見出すことができるか?『キック・アス』で世界的人気者になったクロエ・グレース・モレッツ主演のSFスリラー映画。
段階を分けて、徐々に確実に人類を追い込んでいく異世界の敵
本作の特徴は、侵略者である地球外生命体のアザースの戦略が、異常に地味で、執拗・綿密で、いやらしいくらいに着実である、ということだろう。『アベンジャーズ』や『インディペンデンス・デイ』のように、いきなりドンっと攻撃してこないし、戦闘型UFOやロボットによる爆撃もない...
ロレンス編集部
【1/100の映画評】富と貧困の境界線に怯むか挑むか。音楽に全てを賭けた若者を切なく描く青春映画の傑作『8 Mile』
舞台は1990年代半ばのデトロイト。富裕層が住む都市部と、貧困層が住む郊外の境界線となる一本の通りは8マイルロードと呼ばれていた。タイトルの「8 Mile」とは、この通りの名前から来ているわけで、郊外に住む貧しい人々からすれば8マイルの向こう側に行くこととは、成功して金持ちになるという無謀な野望を意味する。 アル中の母親と健気な妹とトレーラー暮らしをしている白人青年ジミーの唯一の希望は、得意なラップで認められることだが、白人であるがゆえに、ラップは黒人のものという先入観や偏見に自らも囚われてしまい、実力を発揮することができずにいるー。 人気ラッパー エミネムが主人公ジミーを演じて話題にな...
ロレンス編集部
【1/100の映画評】完璧な美と知性はあってはならない存在かもしれない『エクス・マキナ』
世界の90%以上のシェアを誇る検索エンジン最大手企業ブルー・ブックに勤めるケイレブは、社内の抽選に当選し、CEO ネイサンの別荘に招かれる。彼はネイサンが開発した人工知能(AI)を搭載したロボット エヴァが本当に感情と知性を持っているかどうかをテスト ー『ブレードランナー』にも引用されるが、チューリングテストというー することをリクエストされ、これを受ける。 テスト開始の当日、ケイレブの目の前に現れたロボットは、美しくも魅力的な女性の姿を持ち、その表情や言葉はケイレブを瞬く間に魅了したー。
ロレンス編集部
【1/100の映画評】多部未華子さんのコメディアンヌの才能開花ぶりに舌を巻く『あやしい彼女』
ロレンスでもたびたび紹介してきた多部未華子さん主役の『あやしい彼女』。73歳の頑固な老婆カツは、出版社に勤める娘とその息子(孫)との三人暮らし。あるとき、孫をダシにされた振り込め詐欺で、虎の子の100万円を騙し取られてしまう。そのことで娘と喧嘩になって、家を飛び出してしまったカツは、寂しさを紛らせるために立ち寄った不思議な写真館で肖像写真を撮ってもらうのだが、その瞬間から、なぜか彼女は20歳の姿に戻ってしまうー。73歳のカツを倍賞美津子さん、20歳のカツを多部未華子さんが実に巧みに演じている。