2009〜2023年の間に記録したBMW通算勝利数を、わずか1年で上回る大活躍!!
BMW初のクランクシャフト横置き、並列4気筒エンジンを搭載したスーパースポーツであるS1000RRがデビューした2009年、BMWはSBKへのファクトリー参戦を開始しました。BMWの初勝利は2012年に英ドニントンパークのレース1(ライダーはマルコ メランドリ)。2014〜2018年の間はファクトリー参戦が休止されることになりましたが、2023年までにBMWファクトリーライダーが稼いだ勝ち星は合計13勝にとどまりました。
今年・・・2024年シーズンは、2021年にヤマハYZF-R1を駆りSBK王者となったT.ラズガットリオグルが、マイケル ファン デル マークのチームメイトとしてBMWファクトリーに加入。4ラウンド連続で「ハットトリック」・・・2つのレースとスーパーポールレースを完全制覇を成し遂げるなど、シーズン中に13連勝を記録したラズガットリオグルは、合計18勝を積み上げて見事BMWに初のSBKタイトルをもたらすことになりました!
今年からSBKも、最低40%の非化石由来成分含有の合成燃料を使用しています
ちなみに2024年度からSBKは、MotoGP同様にFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が義務化した、最低40%の非化石由来成分含有の合成燃料を使用するようになりました。なおFIMはMotoGPクラスのレギュレーション改訂が予告されている2027年には、100%持続可能燃料を採用する目標を掲げています。
MotoGPファンの多くの知るところですが、BMWモトラッドのCEOであるマーカス フラシュは、2027年の新レギュレーション導入のタイミングに合わせて、BMWがMotoGPに参戦する可能性を否定しない態度を示し続けています。
BMWとノルドエルの、燃料開発に関する協業の目標は、モータースポーツ界への持続可能なソリューションの提供、そしてCO2(二酸化炭素)を99%削減した102オクタンの合成燃料の実現です。この目標がBMWの、2027年以降のMotoGP参戦を強く意識しているのかどうかは定かではありませんが、目標が達成できた場合それは参戦に必要な「ツール」のひとつにはなるでしょう。
1950年代半ばのわずかな期間以外、ロードレースの世界選手権(現MotoGP)にバイクを参戦させてこなかったBMWファクトリーが、本当にGPパドックに戻ってくるのかは、今後の経済状況やBMWグループ全体の業績次第でしょう。ただ参戦メーカーが増えること自体は、MotoGP関係者やファンの全員が歓迎することに違いありません。来年にBMWの新たな動きがあるのか・・・注目したいですね。