ヤマハモーターヨーロッパN.V.と、ロイヤルダッチモーターサイクリスト協会(KNMV)が支援する、オランダ発の電動モトクロッサープロジェクトの結実である「XF30」の予約注文が、5月11日からスタートしました! なお限定100台のファーストロットは、2023年第1四半期から納入される予定とのことです。

XF30の最高出力は40BHP!!

今年からFIM(国際モーターサイクリズム連盟)がスタートさせる、電動オフロード車による選手権「FIM E-エクスプローラー ワールドカップ」の公式マニュファクチャラーになっているオランダのEMXパワートレインは、ドームス・プロイェクテンB.V.社とELEOテクノロジーズ社とのコラボにより誕生しました。

EMXパワートレインが数多ある電動バイクのスタートアップと違うのは、オランダのロイヤルダッチモーターサイクリスト協会(KNMV)、そしてヤマハ発動機のグループ企業であるヤマハモーターヨーロッパN.V.といって、ビッグネームの支援を受けている点です。

2年間の開発を経て、ついに市販されることが発表されたEMXパワートレインの電動モトクロッサーには、「XF30」という名前が与えられました。なお"X"はモトクロス、"F"はクリーン技術の自由(フリーダム)、そして"30"は30kWの電動パワートレインが搭載されていることを意味しています。

画像: EMXパワートレインのXF30の、最初の生産分100台は2023年の第1四半期にデリバリー予定で、1台ずつに限定タグが付けられます。 www.emx-powertrain.com

EMXパワートレインのXF30の、最初の生産分100台は2023年の第1四半期にデリバリー予定で、1台ずつに限定タグが付けられます。

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気になるXF30のスペックですが最高出力は40BHP(30kW)と、ICE(内燃機関)4ストローク250ccモトクロッサーと勝負できるパワーを確保。最大ホイールトルク720Nmという電動ならではの大トルクがXF30の武器ですが、クラッチ操作や変速操作が不要なため実に乗りやすい・・・というのが、EMXパワートレインの主張です。

ICEに対する電動のアドバンテージのひとつである、電子制御のマッピングは3種類が用意されており、最も穏やかな「ライド」、エンジンブレーキとフライホイール効果を向上させる「エンデューロ」、そして最大のパワーと俊敏なスロットルレスポンスを発揮する「レース」を選択することができます。

画像: XF30の心臓部には、液冷永久磁石同期モーター(PMCM)を採用。クラッチはなく、単段のヘリカルギアで1次減速し、2次減速(13/50)は一般的なモーターサイクル同様にスプロケット交換で変更が可能です。 www.emx-powertrain.com

XF30の心臓部には、液冷永久磁石同期モーター(PMCM)を採用。クラッチはなく、単段のヘリカルギアで1次減速し、2次減速(13/50)は一般的なモーターサイクル同様にスプロケット交換で変更が可能です。

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XF30に搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は4,500Whで、電圧(公称)は102V。充電器は220Vコンセント用の仕様で、0~80%の充電時間は1.2時間。0〜100%の場合は1.5時間。バッテリーの保ちは走行モードやライダーの技量によって変化しますが、最大で2.5時間とのことです。

画像: XF30のアルミ製フレームからなるシャシーに組み合わされるサスペンションはKYB製で、トラベル量はフロントが310mm、リアが318mmになっています。前後リムはエクセルで、タイヤサイズはフロント80/90-21、リア100/90-19。ブレーキはニッシン製を採用しており、ディスク径はフロント270mm、リア240mm。なおリアブレーキ操作は一般的なICEモトクロッサー同様、右足で行います。 www.emx-powertrain.com

XF30のアルミ製フレームからなるシャシーに組み合わされるサスペンションはKYB製で、トラベル量はフロントが310mm、リアが318mmになっています。前後リムはエクセルで、タイヤサイズはフロント80/90-21、リア100/90-19。ブレーキはニッシン製を採用しており、ディスク径はフロント270mm、リア240mm。なおリアブレーキ操作は一般的なICEモトクロッサー同様、右足で行います。

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車体関連の数値は、全長2,175mm、全幅825mm、全高1,285mm、シート高965mm、ホイールベース1,475mmと、ほぼ2022年型ヤマハYZ250Fと一緒です。なおバッテリーを含む車重は115kgとなっています。

2024年には公道走行モデルも登場? 期待したいですね!

XF30は5月11日から2023年よりデリバリー予定の、限定100台のファーストロットの注文受付を開始していますが、同社のウェブサイト上のQ&AでXF30を入手できる地域として、EU圏のいずれの国のほかイスラエル、ノルウェー、トルコ、スイス、そして英国をあげています。充電器の仕様が220Vなので、単相220〜230Vのコンセントを採用している国が対象ということなのでしょう。

画像: XF30の予約注文には、950ユーロ≒12万7,836円のデポジットが必要で、合計支払金額は1万8,750ユーロ≒252万3,187円となります(※付加価値税込み。EU圏外のカスタマーは付加価値税を支払う必要はありません)。ICE搭載モトクロッサーと比較すると非常に高価なXF30ですが、どれだけの数の"アーリーアダプター"たちが関心を寄せることになるのか・・・気になります。 www.emx-powertrain.com

XF30の予約注文には、950ユーロ≒12万7,836円のデポジットが必要で、合計支払金額は1万8,750ユーロ≒252万3,187円となります(※付加価値税込み。EU圏外のカスタマーは付加価値税を支払う必要はありません)。ICE搭載モトクロッサーと比較すると非常に高価なXF30ですが、どれだけの数の"アーリーアダプター"たちが関心を寄せることになるのか・・・気になります。

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なおEMXパワートレインの創設者であるE.ドームスは、XF30予約受付開始へのコメントの中で非常に気になることを述べています。それは、近い将来に競技車であるXF30だけではなく、公道走行可能な電動モデルも用意するという予告です!

エルマー・ドームス(EMXパワートレイン創設者 )
「ついにXF30を公開することができ、非常に誇りに思っています。EMXパワートレインの中で、ここまで来るのに極めて懸命に働いてくれたすべての人に感謝したいです。私たちは、白いカンバスの状態からバイクの設計を始め、電動パワートレインを開発し、驚くべきバランスと性能を持つモトクロスバイクを作り上げました。この最初の限定シリーズは、多くのアーリーアダプターにアピールし、スポーツの未来に貢献する第一歩になると信じています。また、XF30はEMXパワートレインの最初の製品であり、2024年のストリート用バイクを皮切りに、さらに多くのパワートレインを搭載する予定であることを申し添えます」

2024年という具体的な年をあげての発言ですので、少なくともEMXパワートレインは公道用モデルの開発もすでに進めていると考えられます。こちらの件も、続報が入り次第みなさんにお伝えしたいと思います!

画像: Introducing the EMX XF30 youtu.be

Introducing the EMX XF30

youtu.be
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