電動バイク競技の発展に貢献してきたEM
先日、日本のM-TEC(無限)が「FIM E-エクスプローラー ワールドカップ」の公式マニュファクチャラーになった、というニュースをお伝えしましたが、この報に続きフランスの電動バイクメーカー、EM=エレクトリックモーションも、同イベントの公式マニュファクチャラーに加わったことが正式発表されました。
E-エクスプローラーの2022年からの開催が発表された昨年から、E-エクスプローラーの公式サイトにはEM製電動バイクの姿が登場していましたので、ある意味EMが公式マニュファクチャラーになったのは当然のことというか、「既定路線」をそのまま進んだ・・・ともいえるでしょう。
バレンティン・ギヨネ(Eエクスプローラー創設者兼CEO)
「エレクトリックモーション社は、電動バイクのパイオニアです。私は15年以上にわたってフィリップ(・アレステン、EM創業者兼CEO)を追いかけ、一緒に仕事をしてきました。会社として、また彼らが生み出す技術という点でも、エレクトリック・モーションの進歩を一秒一秒楽しんで見てきました。トライアルの世界に根ざしたメーカーを公式マニュファクチャラーにすることができ、とても嬉しく思っています。このメーカーが提供する製品は素晴らしく、今後数ヶ月間、彼らが競技のために何を作り出すことができるのか楽しみにしています。彼らはFIM E-エクスプローラー ワールドカップにぴったりで、EMをこのシリーズに迎えることをとても誇りに思います」
EM創業者のフィリップ・アレステンはスコルパの社長でしたが、スコルパがシェルコ傘下になったことを機に、2009年にEMを創業することになった人物です。翌2010年には、電動トライアル車のスケッチを初めて行い、2012年末には同社初の電動トライアル車「EM LITE」が完成!! その後、フランス国内選手権や世界選手権、そしてトライアルEなどのトライアル競技の世界で積極的なキャンペーンを展開。2021年にはEMライダーのガエル・シャタヌが、トライアルE王者に輝いています。
フィリップ・アレステン(EM創業者兼CEO)
「私は最初から、バレンティン(・ギヨネ)と彼のチームのプロジェクトに注目してきました。彼のアプローチと彼の壮大なプロジェクトのさまざまな段階でのバレンティンのプロ意識に特に感銘を受けました。私たちは同じ情熱を共有し、そのコンセプトの独創性と、標準的な2輪モータースポーツとは根本的に異なるものへの扉を開く、このイベントの輪郭を気に入っています。私たちが幅広い製品を生産する企業として長い間関わってきた"電気"産業は、FIM E-エクスプローラー ワールドカップのような、現代的で、知的で、革新的なチャンピオンシップの開催を可能にします。私たちはこのプロジェクトの開発のあらゆる段階で彼らの側にいて、FIM E-エクスプローラー ワールドカップの公式マニュファクチャラーとして、彼らをサポートし続けることを楽しみにしています。バレンティンのチームの皆さん、おめでとうございます。今年後半に大会が始まるのが、待ち遠しいです」
2022年度の開催は3ラウンド!? まだ未確定なことが多いです・・・
なお、EMの公式マニュファクチャラー登録のニュースには、"今年度第3四半期"=7月〜9月から始まるという文言があり、初めて開催時期についてアナウンスがされたことになりました。しかし、まだ正式なカレンダーは公表されてはおりません・・・。
また、今まで主催者はリリースなどで5ラウンド開催と記していましたが、今回のリリースには"電動モーターサイクルで、世界各地の都市と地方の両方で開催される3ラウンドの競技"と記されており、開催イベント数が3ラウンドに減っておりました。なかなか収束することのない世界的なパンデミックの影響や、初年度開催の準備の難しさなどから、元々あった計画を縮小する方向にあるのかもしれません・・・。
他の一流メーカーと競い合うことで、エレクトリックモーション社はこのシリーズを利用して独自の技術をさらに進化させ、都会と地方の両方のコースで学んだ教訓から恩恵を受けることになります。これらの教訓は、環境を破壊することなく探索することに熱心な、気候変動に敏感で好奇心の強い、新しい世代のライダーにアピールする同社の将来の製品開発に活かされることでしょう。
M-TEC、EMに次いで、E-エクスプローラー公式マニュファクチャラーとして登録されることになるのは、どのメーカーなのでしょうか? その報をお伝えする際には、スケジュールやイベントのアウトラインがさらに明らかになるでしょうから、主催者からの新たな発表を期待して待ちたいです。