2017年からスタートしている電動車によるトライアル選手権・・・「トライアルE ワールドカップ」ですが、2021年度はエレクトリックモーションを駆るガエル・シャタヌが初戴冠しました。そして11月2日、2022年度のトライアル世界選手権の暫定カレンダーが公開されましたが、そこにはトライアルEの予定が記されていませんでした・・・。要するにトライアルEのクラスは廃止され、来年度から電動トライアル車は、2&4ストロークのICE(内燃機関)車と一緒に、戦うことが決まったのです!

ひと足先? に、トライアル界にてICE車と電動車の対決が実現

11月2日付のFIM(国際モーターサイクリズム連盟)のプレスリリースによると、2022年度のトライアルGPは5月20〜22日の日本GP(ツインリンクもてぎ)で開幕。6月11〜12日にアンドラ、6月18〜19日にフランス、7月2〜3日にベルギー、7月8〜10日にドイツ、そして9月16〜18日にイタリアと、全6戦でタイトルが争われる予定です。

2022年度の最大の変更点は、トライアルEに使われていた電動トライアルマシンが、最高峰クラスのトライアルGPほか各クラスで、2&4ストロークのICE車と対戦できるようになったことです。世界選手権格式の競技で、ICE車と電動車が"ガチ"のスクラッチ勝負することが可能になったのは、これが初めてのことです。

画像: 2021年、トライアルEのチャンピオンに輝いたフランスのG.シャタヌ(エレクトリックモーション)。電動トライアルバイクの可能性を、2022年はどのように披露してくれるのか・・・!? trialgp.com

2021年、トライアルEのチャンピオンに輝いたフランスのG.シャタヌ(エレクトリックモーション)。電動トライアルバイクの可能性を、2022年はどのように披露してくれるのか・・・!?

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ホルヘ・ビエガス(FIM会長)
「モータースポーツ界で初めて、電動バイクが2ストロークや4ストロークのバイクと競うことになります。これは本当に重要なことで、特に2023年にポーランド・クラクフで開催が予定されているヨーロッパ競技大会に、トライアルがデモンストレーションスポーツとして参加するための準備としても重要です」

J.ビエガス会長が、引用コメント中で述べている「ヨーロッパ競技大会(ヨーロピアンゲームス)」とは、その名が示すとおり欧州各国の総合競技大会であり、欧州のオリンピック委員会(EOC)が主催しています。

トライアルをオリンピック採用競技にすることは、FIMの長年の夢のひとつです。その機運を高めるため、FIMはゼロエミッションの競技であるトライアルEの役割に大きく期待していることは、下のリンクの過去記事でもご紹介したとおりです。

歴史的な2022シーズンは、日本からスタートすることに!

はたして何人の選手が、2022シーズンに電動トライアル車で各クラスに参戦することになるのか・・・は現時点では不明ですが、今年の王者であるG.シャタヌとエレクトリックモーションは確実に、いずれかのクラスにフル参戦するのではないでしょうか? 

ともあれ記念すべき、2&4ストロークのICE車と電動車の初対戦を間近で見ることができるのは、私たち日本のファンというのは嬉しいことですね。2000年から栃木・ツインリンクもてぎで長年開催されてきた日本GPは、COVID-19パンデミックの影響で2020〜2021年と2年連続で中止になりましたが、2019年以来となる大会が今から楽しみです(どうか、それまでにCOVID-19パンデミックが収束していることを望みます)。

日本勢では、過去にヤマハが電動トライアル車のTY-Eで2018年度のトライアルEに参戦した実績がありますが、ぜひとも2022年シーズン・・・せめて日本GPにはスポット参戦はしてほしいですね。鬼が笑いますが、開幕戦の2022年5月を楽しみに待ちましょう!

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