Gogoro連合に対抗する、キムコのアイオネックス戦略
5月末、台湾最大のスクーターメーカーであるキムコは、自社が展開するバッテリー交換プラットフォームの「アイオネックス」を発展させたアライアンスである「アイオネックスEVリーグ」に、スーパーSOCOとFeloテクノロジーズが加わることを「北京国際モーターサイクル展示会2021」で公表しました。
台湾で圧倒的なシェアを有し、世界の100カ国以上に販売網を築くキムコですが、電動スクーターのカテゴリーでは後発のGogoroにシェア争いで遅れをとっているのが現状です。上述の新アライアンス設立は、来たる「電動時代」をにらみ、これ以上の停滞は企業としての存亡に関わるという、キムコの強い危機感のあらわれなのでしょう。
同社の「ライクEV」は、そんなキムコのアイオネックス戦略を担う電動スクーターです。そのスタイリングはレトロ寄りですが、ナビゲーションやメーターパネルデザインの変更など、さまざまな機能を付与するキムコのスマホ連携「Noodoe=ヌードー」を採用し、最先端の便利さを追求しています。
交換式バッテリー3個使えば、最大200kmの移動が可能に!
ライクEVはシート下に27リットルの収納スペースを備え、フルフェイスヘルメットをしまうことが可能です。また5kgのアイオネックス交換式バッテリーを3個搭載すれば、この種のEVスクーターとしては驚異的な航続距離=200kmを走破することが可能になります。
またライクEVの設計の特徴として、電動システムのなかにコアバッテリーを備えていることがあげられます。充電などのためにアイオネックス交換式バッテリーを取り外した状態でも、コアバッテリーの電気を使って走ることが可能です。例えば・・・そんなに距離を走らなくてもいいので、シート下収納スペースをフルに使って多くの荷物を運びたい・・・というケースで使えるのは、とても便利でしょう。
なおこちらに紹介する動画は、キムコ会長のアレン・コウが同社の電動戦略をプレゼンテーションする動画です。アイオネックスの概要などについて、わかりやすい英語(字幕付き)で紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
キムコ ライクEV 主要諸元
モーター型式 ブラシレスDCモーター 出力 3.2kW トルク(後輪) 124Nm バッテリー型式 リチウムイオン バッテリー容量 交換式バッテリー 50V/13Ah コアバッテリー 50V/10.5Ah バッテリー重量 5kg(交換式バッテリー1個)
乾燥重量 110kg 全長x全幅x全高 1,935x690x1,145mm シート高 805mm ホイールベース 1,315mm タイヤサイズ 前 110/70-12 後 120/70-12 サスペンション 前 テレスコピック 後 ユニットスイング ブレーキ 前 ディスク式 後 ドラム式