ニュースソースは日本の特許庁!
10月9日にCYCLE WORLDが公開した記事は、ホンダが日本の特許庁に申請したパテントがニュースソースになっています。同誌は過去にも同じような手法・・・日本や海外のパテント申請を調査することで、数々の推測・分析記事を制作し、掲載しています。
上に紹介した過去記事のパテントをベースに、商品化されたモデルは今のところ存在しませんが、これらパテントから各メーカーが現在どのような商品開発をしているのか・・・を想像するのは、バイク好きにとっては楽しい思考ゲームではないかと思います。
なお今回紹介する過給器付きホンダ・アフリカツインのパテントは、日本の特許庁に申請されたもの・・・とCYCLE WORLDは説明しています。
大型アドベンチャーのハイパフォーマンス化の手段、としての過給器装着!
パテント図を見ると過給器付きアフリカツインは、現在のアフリカツインの車体を大きく改造することなく、並列2気筒1,084ccエンジンに過給器を追加しているようです。
フロント21インチ、リア18インチの足回りを持ち、積極的にオフロード走行を楽しみたいユーザーを中心に支持を集めているアフリカツインですが、多くの大型アドベンチャーユーザーは舗装路メインのツーリングに彼らの愛車を使っていることが市場調査などで明らかになっています。
より快適に長距離走行をしたい・・・となると、排気量を大きくして出力向上させ、巡航性能を高める・・・という選択肢を選ぶのは自然なことでしょう。大型アドベンチャーのベストセラーのBMW GSシリーズの現行モデルは排気量を1,250ccまでアップし、アフリカツインを大きく上回る135馬力の最高出力を得ています。
また近年ではドゥカティブランド一番の売れ筋となっているムルティストラーダシリーズの1260モデルは、上述の2台に遥かに勝る158馬力を発生! そしてデビューが予定されているV型4気筒エンジンを搭載するムルティストラーダV4は、なんと170馬力超の強心臓ぶりを売りとしています。
これ以上大型化しないで、パワーアップ!! は最適解?
これらCYCLE WORLDの記事に紹介されているパテント図などから想像するに、ホンダはより巡航性能・・・快適に長距離移動をするための出力アップという市場のニーズに応えつつ、オフロード走行能力が光るアフリカツインならではの魅力をスポイルしない方法として、過給器装着を考えた・・・と妄想してしまいます。
多気筒化や更なる排気量拡大で出力アップを図るのは簡単ですが、その選択は車体の大型化・重量増をまねき、オフロードもバリバリ走れるというアフリカツインの大きな魅力を削ぐことにもなりかねません・・・。その点、過給器追加であれば、重量増や価格増を抑えつつも出力アップを狙うことができるでしょう。大型アドベンチャーに過給器!? とセンセーショナルに感じてしまう過給器付きアフリカツインですが、そもそものアフリカツインの美徳を考えると、過給器装着という手段は理にかなっていると思えます。
もっとも上述のとおり、CYCLE WORLDの「パテントを元に、各メーカーの現在の開発を紹介する」過去記事に登場したアイデアが、市販化に至った例はまだありません。この過給器付きアフリカツインも、アイデア止まりで市販化されないことは当然あり得ます。
個人的には、ホンダには"独創さ"を望んでしまうので、ぜひ過給器付きアフリカツインが商品化されることを期待しちゃいます。これが最適解だ!! と言わんばかりの"独善的"な商品になっちゃいますと、市場にソッポ向かれちゃうでしょうから商品化は実に難しいと思いますが・・・。ともあれ、過給器付きアフリカツインの走りっぷりなど・・・しばし妄想を楽しみたいと思います(笑)。