そのアベレージスピードの速さから、「世界最速のロードレース」と称される公道レースのアルスターGPが、去る8月8〜13日の期間に北アイルランドにて開催されました。今年のマン島TTに登場して、大いに話題となったブルース・アンスティとホンダRC213V-Sのコンビは、このアルスターGPにも参戦。果たしてその結果は・・・!?
初のスーパーポールは、RC213V-Sが制しました
今年のアルスターGPでは、1発のタイムアタックで予選順位を決めるスーパーポール方式を初採用。アンスティとRC213V-Sはダンドロッドのコースにて、133.551mph(約214.9kn/h)を記録。見事2つのスーパーバイクレースのポールポジションを獲得しました。
現在公道最強のBMWが、RC213V-Sの前に立ちはだかる!
アンスティとRCVのライバルとなるのは、今年のマン島TTのスーパーバイク/スーパーストッククラスで大活躍したBMW S1000RRに乗るマイケル・ダンロップとイアン・ハッチンソンの両雄です。マシンの熟成度と、ふたりのリアル・ロードレーシング・ライダーとしての能力の高さは他を圧倒するもの・・・と言えるでしょう。
アルスターGPの期間中は、様々な冠スポンサーのついたスーパーバイククラスが複数回行われるのですが、ダンドロッド150ではM.ダンロップが駆るホーク・レーシングのBMW S1000RRがアンスティの0.677秒前でゴール。アンスティは2位に甘んじることになりました。
続くアルスターGP・スーパーバイク1では、ハッチンソンがアンスティとRC213V-Sの前に立ち塞がり、アンスティは0.274秒差でまたまた2位。なお3位はM.ダンロップでした。
アルスターGP・スーパーバイク2でも、ハッチンソンの勢いは止まりません。0.8秒差をアンスティにつけて優勝。そして3位はM.ダンロップと、レース1と同じ並びでした(しかし、レース1よりは接戦でした)。
電子制御を"オフ"にして、最強のライバルたちに挑んだアンスティ
アンスティは最強のふたりが駆るBMWに対抗するため、RC213V-Sのトラクションコントロールなどの電子制御式ライダー・エイド機能をすべてオフにしましたが、それでも一歩及ばず、スーパーバイクカテゴリーではすべてのレースで2位という結果になってしまいました。しかし、先月アルスターGP参戦を公表したときのアンスティの予想・・・RC213V-Sは現状の熟成度ではマン島TTよりも、アルスターGPの方に向いている・・・が正しかったことは証明されたと思います。
赤旗で終了した最初のスーパースポーツクラスで、ホンダCBR600RRで勝利したのが、今年のアルスターGPでのアンスティの唯一の勝利になりましたが、次の公道レースのチャレンジではぜひともRC213V-Sとともに、I.ハッチンソンとM.ダンロップが駆るBMWにリベンジしてほしいですね! 期待しましょう!