外国車メーカーの営業、マーケティングを経てヘッドハンティングを受け、2009年にドゥカティジャパンに入社、代表取締役社長に就任した加藤 稔 さん。入社するまでバイクに全く興味が無かったという加藤さんだからこそできた ドゥカティのイメージ改革。皆さんは知っていますか?

クルマの世界からオートバイの世界へやってきた

画像1: (GOGGLE@モーターマガジン社) www.motormagazine.co.jp

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「僕がドゥカティに入社したのが 09年。ちょうどモンスター696がデビューしてしばらくたってからで、ドゥカティという会社に、すごく勢いを感じたのを覚えています」ドゥカティモデルを まじまじと見て、きれいだな、セクシーだな、と感じたという加藤さん。まずもって、このあたりが違う。ドゥカティを知っているファンならば、新しいモデルはどのカテゴリーに属して、どのモデルの系統で、これは走りそうだ、なんて思いが真っ先に来るもの。ドゥカティとは、そういうブランドだ。「オートバイのことをよく知らなかったからね(笑)。走りそう、なんていう のは、国産モデルを含めて、どれを見てもそう思ったし、その中でもドゥカ ティは、心に響いたんです。インスピ レーションって大事ですよね。」

この言葉を聞いて、私も「これだ!!」と思った。バイクを知らないからこそ感じる、バイク業界の違和感。目の前のNEWモデルがどのカテゴリーでどういうバイクかなんてどうでもいいのだ。ただ、そのバイクを見た瞬間の「カッコイイ」とか、「乗ってみたい」とかそういうインスピレーション。それが一番大切で、スペックだとか機能だとかは、購入する事を迷い始めてからの検討材料の1つでいいのではないか。まずは、心に響くかどうかが大切だと思う。

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たとえば、10の世帯があって、クルマというのは生活必需品として、10みんなに行き渡っている。きっと、その中でオートバイは、好き者が1いるか、生活の足に1使っているか、ってレベル。長くオートバイ村にいる僕たちはそれを甘んじ、そういうものだと思ってきたけれど、エイリアンにはそう映らなかった。「クルマは10行き渡って、ひょっとしたら家庭に2台なんて時代かもしれない。オートバイが1ならば、あと9も『オートバイを知らない層』があるじゃないか、って思ったんです。いまオートバイを知っている1を、さらに細かく分けたってしょうがない。ドゥカティが残りの9にできることって何だろう、と考え始めたんです」

バイクの世界を知らなかったから分かる事が加藤さんの言葉の中には溢れていた。知らないからこそ、バイクの魅力を知ってもらう必要があって、知らないからこそ、どっぷりハマる可能性を無縁に秘めている人たちがいる。そして、好きになるきっかけなんて、最初はみんなインスピレーションだったはずなのだ。

スーパーバイクはドゥカティの柱。ムルティもディアベルも重要。でもスクランブラーには新しい可能性にあふれています。
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「もちろん、ドゥカティにとって、スー パーバイクから発信されるパフォーマンスはとても大事なスピリットです。そこは揺るがない。けれど、それと同時に、ドゥカティ=すばらしくセクシーにデザインされた美しいオー トバイ、って側面があると思ったし、そこをアピールし切れていないな、と思ったんです。スーパーバイクはラインアップの中でも最高峰のもの、憧れの存在だし、そこを手にできるのはひと握りのドゥカティファン。でも、それ以外の魅力をもっとアピールしないともったいないな。って」モンスター、ムルティストラーダ。 ハイパーモタード、ディアベル、そしてスクランブラーも加わった。ドゥカティの勢いが加速し始めた。

確かにドゥカティというと、スーパースポーツのイメージが強く、初心者にとって敷居が高い憧れのバイクだった。憧れといってもいつかは手が届くというものではなく、映画や漫画のヒーローが乗っている架空の乗り物のような、何だか現実味が無いバイクという漠然としたものだったと思う。それが、スクランブラ―などの気軽に乗れるネイキッドタイプの美しいシリーズが加わったことで、ドゥカティを所有する事に現実味が出てきた。そして、試乗といえば当たり前だった、ショップの周りをぐるりと数10分というスタイルも、モデル によっては1泊2日で貸し出してし まう「 24時間モニター」というスタイルを取り入れたりと、日本でのドゥカティのイメージをどんどん身近にする事に成功しているのは、加藤さん自身がバイク初心者だった事による新しい発想のなせる業ではないでしょうか。そんな新しいドゥカティのこれからの方向性が楽しみです。

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