12月15日、ドイツのBMWモトラッドとインドのTVSモーターカンパニーは、2輪EVを含む新プラットフォームなどの共同開発に関する、長期的なパートナーシップを結ぶことを明らかにしました。2013年に両社は500cc以下のICE(内燃機関)車開発の協力協定をしましたが、将来の2輪EV需要の高まりを見越して、"次の一手"を打ってきたわけです。

長年の協力関係を、さらに強化!

BMWとTVSの協力関係は2013年4月から始まり、その結実であるBMW G310GSとG310R、そしてTVSのアパッチRR310はTVSで生産され、欧州、アメリカ、日本、中国、そしてインドなどの市場で約10万台が販売されました。

2013年の協定締結時の写真。TVSモーターカンパニー会長のスリニヴァサン・ヴェヌ(左)と、BMWモトラッド社長(当時)のステファン・シャーラー。

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BMWのGSシリーズの末弟モデルであるG310GSは、水冷4ストローク単気筒312ccを搭載。エントリーモデルながら、スロットル・バイ・ワイヤを採用するのが特徴です。75万3,000円〜(税込)。

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G310プロジェクトのプラットフォームを使って作られた、TVSのアパッチRR310。スロットル・バイ・ワイヤ、デュアルチャンネルABS、スリッパークラッチ、そしてスマホとのコネクティング技術を採用した、同社のフラッグシップスポーツに仕上がっています。価格は25万9,990〜インド・ルピー≒39万6,432円〜、という安さです!

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「G310プロジェクト」の成功は、BMWとTVSの協力協定が正しい選択だったことの何よりの証明ですが、両社は500cc以下のICE車だけでなく、2輪EVについても共同開発を進めることをこの度決定し、結びつきをより強いものとしました。この結果、これから登場するBMWブランドの小型2輪EVは、デビュー済みのモデルよりも大幅に安価でリリースされる可能性が高まったわけです。

スダルシャン・ヴェヌ(TVSモーターカンパニー・ジョイント マネージング ディレクター)
「9年間の長期的な戦略的パートナーシップの中で、我々は常にBMWモトラッドと共通のコアバリューである品質重視、エンジニアリング能力、革新性、顧客満足を大切にしてきました。これらの要素と、強力な価値提案を伴う優れた品質の製品を提供するという我々のコミットメントが、このプラットフォームから発売された3つの製品すべての成功のカギとなったのです。未来のモビリティの新しい世界は、電動モビリティを含む代替ソリューションによる強力な役割を内包しています。この成功したパートナーシップをEVや他の新しいプラットフォームに拡大することは、グローバル市場に先進技術と魅力的な製品を提供する機会を生み出し、両社に貴重な相乗効果をもたらすでしょう」

Dr. マーカス・シュラム(BMWモトラッド責任者)
「TVSモーターカンパニーとの実りある関係を踏まえ、長期的なパートナーシップとEVを含む新しいプラットフォームや、技術の共同開発を含む協力協定を延長・拡大できることを嬉しく思います。私たちの強力なシナジー効果により、500cc以下のセグメントで印象的な製品を開発することができました。(中略)私たちは、この協力関係の将来を楽しみにしています」

両社の2輪EV共同開発の成果が世に出るのは・・・2年以内の予定とのこと!

アメリカの2輪EVブランドであるライブワイヤーの新機種開発に関して、ハーレーダビッドソンと台湾のキムコが提携することを発表したその2日後、ドイツのBMWとインドのTVSという大手が2輪EV開発についても協力することを明らかにするとは・・・世界の2輪EV勢力地図が大きく変わっていきそうなニュースが続きますね。

2輪EVのプラットフォームを数多く揃えることは、2輪EV製品の他機種化には欠かせないことです。予想するに、BMWとTVSが共同開発するのはICE(内燃機関)小型車の前例=G310プロジェクトからして、小型2輪EVの分野になるのかもしれません・・・!?

BMW コンセプトCE 02は、ドイツの「IAAモビリティ 2021」に出展されたBMWの2輪EVプロトタイプです。若者に人気のスケボーカルチャーを取り入れた都市型コミューターとして、その早期デビューが期待されていますが・・・。

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また、TVSは2020年に英国のノートンを傘下におさめており、ノートンブランドから2輪EVをリリースすることを計画していることが明らかになっています。今回のBMWとの契約が、このノートン2輪EV計画にも関係してくるのかどうか・・・は、未だ定かではありません。

なお新たな提携により生み出されることになる最初の製品は、今後24ヶ月の間に発表される予定とアナウンスされています。つまり、2年以内に発表されるというわけですが、それが来年になるのか? それとも再来年になるのか・・・? ともあれ今はそのときを待つしかないですね。