Lawrenceが独断と偏見? で選んだ、2020年の2輪業界にまつわる10大ニュース(順不同)。 まずは今年インド企業の傘下におさまり、多くの人を驚かせたノートンの話題からご紹介します。生産が止まってしまって久しいノートンですが、その後はどうなったのでしょうか?

1898年創業の名門ノートン・・・その復活の道はインド企業に託されることに

1898年創業の英国メーカーであるノートンは、戦前から戦後間もない期間、ロードレースの分野で数々の成功をおさめました。1950年代にAMC傘下に入ったノートンの名は、英国2輪産業衰退期の1960年代から1970年代にかけて様々な企業体の下で存続しますが、1978年に財政破綻によりいったんモーターサイクル製造業者としての歴史のピリオドを打つことになりました。

そして1980年代、ノートンはロータリー(ヴァンケル)エンジンを採用する公道車/ロードレーサーを生み出し、再びモーターサイクル製造業者としての復活を果たします。そして21世紀に入ってからは、アメリカのケニー・ドレアがデザインした並列2気筒車の図面をベースに、英国のスチュアート・ガーナーが2010年より新生コマンド961の生産をスタートさせました。

その後新生コマンド961の量産販売、マン島TTでのロードレース活動を復活させるなど、ガーナー率いるノートンは2輪業界に多くの話題を提供することになりましたが、2020年1月に英BBCはノートンの資金繰りが行き詰まっていると報道。結局、その報道内容は事実で、ノートンは新たな資本による救済を求めざるを得ない状況に陥りました。

2020年4月、ノートンブランドの救世主として名乗りをあげたのはインドのTVSモーターでした。TVSモーターは1,600万英ポンド≒22億1914万円でノートンを買収。新たにノートンCEOとなったジョン・ラッセルは、12ヶ月ほど中断していたノートンコマンドの生産を、2020年12月から再開すると公表しています。

2021年・・・再生したノートンの活動に注目したいです!

画像: 新たにノートンCEOとなったJ.ラッセル。1986年から1994年の間、ランドローバー宣伝部マネージングディレクターを務めた氏は、ハーレーダビッドソンで2輪業界でのキャリアをスタート。1998〜2007年にハーレーダビッドソン ヨーロッパの副社長兼マネージングディレクターに就任。そして7年前からTVSモーターに在籍しています。 www.nortonmotorcycles.com

新たにノートンCEOとなったJ.ラッセル。1986年から1994年の間、ランドローバー宣伝部マネージングディレクターを務めた氏は、ハーレーダビッドソンで2輪業界でのキャリアをスタート。1998〜2007年にハーレーダビッドソン ヨーロッパの副社長兼マネージングディレクターに就任。そして7年前からTVSモーターに在籍しています。

www.nortonmotorcycles.com

なおTVSモーターのノートン買収ですが継続企業としての買収ではないため、旧経営陣のよる多くの契約不履行に対する法的責任は新会社にはないそうです。しかし、新しい経営陣は救済策を考えているようで、旧経営陣による多くの未履行注文の被害者たちに連絡をとり、注文を処理するためのプロセスを進めているとのことです。

またTVSモーターは、工場を英ウェスト・ミッドランズのソリフルに移転し、注文分のコマンドの生産(40台)の生産を終えたら、V型4気筒、そして650cc並列2気筒のアトラスの生産を始める・・・とJ.ラッセルは海外メディアのインタビューに対して答えています。なお再始動したノートンは現在100人近くのスタッフを雇用しているそうですが、2021年には200人ほどに増える可能性がある、とのことです。

画像: 2019年のマン島TTライトウェイトクラスで、ノートン・スーパーライト(並列2気筒650cc)に乗るP.ヒックマン。ノートンというブランドは、長年のTTでの活躍でそのブランド力を高めた歴史があり、新経営陣もTTでのロードレース活動には関心あるようです。しかし現時点では、今後のレース活動の計画についてはまだ何も決まっていないとのことです。 www.nortonmotorcycles.com

2019年のマン島TTライトウェイトクラスで、ノートン・スーパーライト(並列2気筒650cc)に乗るP.ヒックマン。ノートンというブランドは、長年のTTでの活躍でそのブランド力を高めた歴史があり、新経営陣もTTでのロードレース活動には関心あるようです。しかし現時点では、今後のレース活動の計画についてはまだ何も決まっていないとのことです。

www.nortonmotorcycles.com

インドのTVSモーターの傘下におさまり、再始動したノートンが2021年にどのようなニュースを私たちに提供してくれるのか・・・? 楽しみにそのときを待ちましょう!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.