EICMA 2024で公開されたロイヤルエンフィールドの電動モデル、「フライングフリー」が話題になっています。そして今、同社はフライングフリーのプロモーションを各SNSや動画サイトなどで展開中ですが、そのなかには盛んに落下傘=パラシュートを使って降下するフライングフリーのイメージが多用されています。それはなんで? なのでしょうか・・・。

いにしえのフライング フリーは軍用車でした!

ロイヤルエンフィールドの電動バイク計画は以前から公表されており、アドベンチャーモデルの「ヒマラヤ」の電動版、そして小型電動バイクなどが開発中であることも同社より明かされていました。先日開催されたEICMA 2024では、その後者の方・・・都市部での利用を想定した小型電動バイクの「フライングフリー」が展示され、話題を集めていました。

画像: ロイヤルエンフィールドの電動モデル、「フライングフリー」。写真のC6のほか、スクランブラー仕様のS6も用意される予定です。 flyingflea.royalenfield.com

ロイヤルエンフィールドの電動モデル、「フライングフリー」。写真のC6のほか、スクランブラー仕様のS6も用意される予定です。

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画像: 空気の流れを視覚的にイメージさせるデザインのバッテリーケースなど、フライングフリーはそのスタイリングデザインが多くの人から高く評価されています。ロイヤルエンフィールドはデザインテーマを「レトロフューチャリスティック」と説明していますが、これはレトロフューチャリズム(20世紀中頃までの人が描いた未来像)に由来する言葉で、古典的デザインと未来的デザインが巧みに融合しているフライングフリーを表現するのに適切な言葉だと思います。 flyingflea.royalenfield.com

空気の流れを視覚的にイメージさせるデザインのバッテリーケースなど、フライングフリーはそのスタイリングデザインが多くの人から高く評価されています。ロイヤルエンフィールドはデザインテーマを「レトロフューチャリスティック」と説明していますが、これはレトロフューチャリズム(20世紀中頃までの人が描いた未来像)に由来する言葉で、古典的デザインと未来的デザインが巧みに融合しているフライングフリーを表現するのに適切な言葉だと思います。

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左右にダンパーを持つアルミ合金性ガーダーフォークや、戦前車に多く使われたサドルシートなど、ユニークかつ流麗なスタイリングを持つフライングフリーは、2026年には市販開始されるといわれています。残念ながら詳細なスペックは公開されていませんが、電動車ならではのライディングモード、ライダーエイド、コネクテッド技術などが盛り込まれ、都市部の通勤通学用途を満たすに十分な、航続距離と充電システムが採用されることになるでしょう。

すでにご覧になった方もいると思いますが、ロイヤルエンフィールドのフェブサイトやYouTubeチャンネルには、フライングフリーを紹介するページや動画がアップされています。そのなかで盛んに使われているイメージが、落下傘に吊るされて降下するフライングフリーの姿です。

画像: ロイヤルエンフィールドのフライングフリーのウェブサイトに掲載されている、フライングフリーが落下傘(パラシュート)降下するイメージ。 flyingflea.royalenfield.com

ロイヤルエンフィールドのフライングフリーのウェブサイトに掲載されている、フライングフリーが落下傘(パラシュート)降下するイメージ。

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古い英国車や軍ヲタの方であれば、このイメージを見てすぐピンとくるのではないかと思います。フライングフリーは21世紀になって生まれたネーミングではなく、かつてのロイヤルエンフィールド車に使用済みの名前なのです。初代フライングフリーは、第二次世界大戦の欧州戦線で使用された軍用モデルとして誕生したモデルでした。

画像: 第二次世界大戦中、多くの英国2輪メーカーは軍の受注を受けて軍用モーターサイクルを作りました。ロイヤルエンフィールドのフライング フリー(2ストローク単気筒125cc)は、専用のクレードルに格納してパラシュート降下させて、兵士の地上での足として活動させる目的で生み出されたユニークな軍用車でした。 www.royalenfield.com

第二次世界大戦中、多くの英国2輪メーカーは軍の受注を受けて軍用モーターサイクルを作りました。ロイヤルエンフィールドのフライング フリー(2ストローク単気筒125cc)は、専用のクレードルに格納してパラシュート降下させて、兵士の地上での足として活動させる目的で生み出されたユニークな軍用車でした。

www.royalenfield.com

じつはフライングフリー以外の、電動車の名前の候補もありました

落下傘で降下させて、地上で兵士の足として使う・・・というアイデアは、フライングフリー以外の軍用モデルにも採用されています(詳細は過去記事ご参照ください)。

ロイヤルエンフィールド製電動車のネーミングとして、再び使用されることになったフライングフリーの名ですが、じつはもうひとつの候補名がありました。それは「Babe-E」と書いてベイビー(Baby、赤ちゃんの意味)と読む、電動であることを示す「E」を組み合わせた造語です。

「Babe-E」もいにしえのロイヤルエンフィールドにゆかりがある名前で、第二次世界大戦の開戦前の1939年4月に登場した2ストローク単気筒のRB=「ロイヤル ベイビー」がその由来です。車体は独DKWのRT3(2ストローク単気筒100cc)のコピーで、このRBをベースにして軍用フライングフリーは誕生することになりました。

画像: リアサスペンションはカンチレバー式モノショックで、ハーレーダビットソンのソフテール的に、戦前車に多かったリジッドフレーム風の雰囲気を身にまとっています。 flyingflea.royalenfield.com

リアサスペンションはカンチレバー式モノショックで、ハーレーダビットソンのソフテール的に、戦前車に多かったリジッドフレーム風の雰囲気を身にまとっています。

flyingflea.royalenfield.com

個人的には物騒なイメージもある軍用車の名前のフライングフリーより、電動車であることも名前からよくわかる「Babe-E」の方をネーミングにチョイスしたくなりますが、歴史的知名度がぶっちぎりに高いフライングフリーを選ぶのが、確かに正しい選択ではありますね・・・。ちなみにRBは1939年7月から1940年春までのわずかな期間、約2,000台の製造に止まった短命モデルでもありました。

現代の電動フライングフリーは、今までになかった価値を持つニューモデルが、空から降りてくる=市場にこれから投入される! という解釈で、落下傘をプロモーションに上手く使っているということなのでしょう。その市販はちょっと先のことになりますが、市販版フライングフリーがどれだけのパフォーマンスを有しているのか、知ることができる日を楽しみに待ちたいです。

画像: - YouTube youtu.be

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