2輪の分野では、イタルデザインの過去作の評価はイマイチですけど・・・?
イタルデザイン・ジウジアーロ SpAは、1968年にジョルジェット・ジウジアーロとアルド・マンドヴァーニによって設立されたデザイン会社です。自動車愛好家たちにはマセラティ、フェラーリ、ロータス、フォルクスワーゲンなどの自動車会社とのコラボが有名なイタルデザインですが、カメラのニコンや銃器メーカーのベレッタなどとの仕事も、その筋? の人々には広く知られています。
ジウジアーロ率いるイタルデザインはバイクのデザインも手がけていますが、そのなかでも日本の2輪ファンに一番馴染みがあるのは1974年のスズキ製ロータリー(ヴァンケル)エンジン搭載モデル、RE-5でしょう。
そしてドゥカティも、イタルデザインがスタイリングを担当した860GTを1974年に発表しています。その直線を多用したスタイリングは非常に斬新でしたが、多くの保守的なモーターサイクリストたちは860GTは"美しくない"と否定的な評価を下しました。
そのほかMVアグスタ350イポテシ(1975年〜)、トモスA5コリブリ(1989年〜)、そしてデルビのプレデター(1998年〜)などのスタイリングも手がけていますが、4輪では数々のヒット作の誕生に貢献したイタルデザインも、2輪のジャンルにおいてはビミョーな評価しか獲得していない・・・のが実情でしょう。
時代が追いついた? 860-Eコンセプトの"未来的"なスタイリング!!
そんなイタルデザインですが今にいたるまで2輪のデザインスタディは数多く発表しており、2020年にはドゥカティのデザイナーと共同で電動フォールディングバイクのドゥカティ・アーバン-Eのデザインをまとめ上げています。
https://www.ducatiurbanemobility.com
現時点でドゥカティは、ペダルクランク付きの電動バイクと電動キックボードしか販売しておらず、本格的な電動モーターサイクル作りには熱心に取り組む姿勢を見せていません(表面的には?)。そんななか、イタルデザインがスタディとして公表したドゥカティ860-Eコンセプトは、ひょっとしたら・・・を期待させるものがあります。
1974〜1975年のドゥカティ860GTは、直線基調がSFチックで未来的すぎる・・・という評価を受けていましたが、そんな「時代を先取り」しすぎていた860GTのスタイリングを再解釈したような860-Eコンセプトの姿は、これから迎える「電動時代」にはマッチしているように思えます・・・。
イタルデザインが公表した860-Eコンセプトは、ドゥカティの公式な生産プログラムに載っているものではありませんが、もし将来ドゥカティが腰を上げて本格的電動モーターサイクル作りに取り組むのだとしたら・・・イタルデザインとコラボして、1970年代の「リベンジ」を21世紀にはたしてくれたら・・・と妄想してしまいますね!860GTの敵(かたき)を860-Eで討つ、みたいな?