MVアグスタのブランドを、電動都市型モビリティに拡張展開!!
2019年秋にロシアのサルダロフ兄弟がMVアグスタの資本の100%を管理するようになってから、栄光のMVアグスタブランドはサルダロフ家の支配下になっています。そして1970年代の創業期から、2輪ブランドとしてのMVアグスタ復活に尽力し、それを1990年代に実現したカジバのカスティリオーニ家の後継であるジョバンニは、今年からデザインスタジオの「C-クリエイティブ」での活動を本格化させています。
現在MVアグスタのCEOを務めるティムール・サルダロフは、中国メーカーとの提携でMVアグスタブランドの中間排気量廉価モデルの開発など、さまざまなプロジェクトを進めています。今回のEバイクと呼ばれる電動自転車=EバイシクルなどのEモビリティ販売も、サルダロフのリーダーシップの下で進められているものです。
EバイシクルのAMOシリーズには「RR」と限定版の「RC」の2種類が用意されますが、いずれも250Wのマーレモーター(最高速度25km/h)、1回の充電で75kmの走行が可能な250Whのパナソニック製バッテリー、ピレリ製タイヤ、マグラ製ディスクブレーキ、ゲーツ製カーボンドライブベルトなどの高品質なコンポーネントを採用しています。そしてAMOシリーズの重量はわずか15.5kgで、都市部での通勤やレジャーなどの用途に最適な仕上がりになっています。
なおMVアグスタはEバイシクルのAMOシリーズに続き、新たな都市交通として世界的に注目されている電動キックボードの販売も予定しているそうです! 現在のMVアグスタCEOのティムール・サルダロフは、「手頃な価格で、軽くて、環境に優しいモビリティ・ソリューションへの需要は、特に大規模な都市環境において多忙な人々の間で高まっています。このセグメントは、ほとんど手つかずの状態でした。私たちは、MVアグスタブランドの潜在能力を最大限に引き出すために、今こそ必要だと考えました」と述べています。
つまり、既存のMVアグスタのICE(内燃機関)搭載車の製品ではリーチできない層に、新たな都市型電動モビリティを売り込むにあたり、MVアグスタブランドの高級イメージはかなり有効にはたらく・・・と、サルダロフ家は目論んでいるのでしょう。
既存のMVアグスタファンは、どっちの製品を評価するのか? 注目です!
しかしMVアグスタの電動モビリティへの進出という報に接し、ついつい頭に浮かぶのはもう一方のMVアグスタブランドに血統を受け継ぐカスティリオーニ家の、ジョバンニが主宰する「C-クリエイティブ」のことです。
C-クリエイティブはオーストラリアの「ステルス・エレクトリック・バイク」とパートナーシップを結んで、電動バイク2機種を生み出すことを公表しましたが、そのデザインを担当するのは近年世界的に高い評価を得ていたMVアグスタ・デザインを生み出した鬼才、エイドリアン・モートンと報じられています。
現時点では、エイドリアン・モートンが手がける、ステルス・エレクトリック・バイクの2つの新製品のスタイリングの詳細は明らかになっていませんが、近年のMVアグスタ製モーターサイクルの「形」が好きな人たちは、モートンがどのようなデザインのEモビリティを作るか・・・のほうが、すでに明らかになっているMVアグスタのAMOシリーズよりも気になるのではないでしょうか?
ともあれ、サルダロフ家のMVアグスタブランドと、カスティリオーニ家のC-クリエイティブが手がけるそれぞれのEモビリティ群・・・どちらが電動時代の「MVアグスタの美しさ」の後継者としてふさわしいか・・・? については、MVアグスタファンでなくとも気になることだと思います。今後の両勢力の動静に、注目していきましょう!