電動システムのコア部分は、ゼロ・モーターサイクルズから購入!
2&4輪が"未来の在り方"を考えて"電動化"を模索する中、"3輪"のサイドカーを製造販売するウラルもしっかり、電動サイドカーの可能性を追求しています。2018年にウラルは、電動式サイドカーの最初の開発段階をすでに終了しており、その可能性をサーベイしています。
試作車に採用された電動系は、アメリカを代表する2輪EVメーカーのひとつ、「ゼロ・モーターサイクルズ」が独自開発したパワートレイン・パッケージ(モーター、バッテリー、コントローラーなど)です。そしてカリフォルニアに拠点を置く工業デザイン会社「ICG」が、全体的なデザインの開発と製作を担当しています。
ウラルサイドカーに搭載される、750cc空冷4ストロークOHVフラットツインの代わりに搭載されるモーターは、60hp (45kW) /5,300rpmの最高出力を発生します。元々のICE(内燃機関)の最高出力は41hp/5,500rpmですので、パワーとトルクともに電動試作車はパフォーマンスアップを果たしていることになります。
新しいサイドカー体験、を味わえる電動ウラル・・・乗ってみたいです!
電動試作車にはICE搭載版のような、ギアボックスもクラッチもありません。電動システムに連動したパーキングブレーキを解除すると走行可能状態になり、右手のスロットルを捻るだけで簡単に走り出すことが可能です。
起動時から最大トルクを発生する電動モーターの特性により、電動試作車の発進や加速はとても快適・・・とのこと。販売されているICE搭載版ウラルは、鼓動感あふれるOHVフラットツインのメカニカルノイズとエキゾーストノートを走行中に奏でますが、当たり前ながら電動試作車にはそれはありません。
電動試作車が走行中に発するのは、エンジン音よりは静かなモーターのノイズ、タイヤのロードノイズ、そして風切り音くらいです・・・。鼓動感あふれるOHVフラットツインのメカニカルノイズとエキゾーストノートは、ウラルサイドカーの魅力ではありますが、電動試作車にはそれがない代わりにパッセンジャーと会話する際に、エンジン由来のノイズにかき消されないよう「大声」を張り上げる必要がない・・・というメリットがあります。
なお19.5kWhの動力用バッテリーは約13時間で空っぽ状態からフルに充電でき、航続距離は100マイル強≒160km強になります。もっと側車側の収納量を活かしてより容量の大きいバッテリーを積めば、さらに航続距離を伸ばすことも容易でしょう。
電動ゆえに静かなこと、そしてICEが発する熱がないことも、2輪・3輪に慣れていない側車側のパッセンジャーには快適に感じられるでしょう。思うに、3輪のサイドカーは2輪車よりも電動化の適正が高い・・・と言えるでしょう。
もっとも、あくまでこの試作車はサーベイ用に製作されたものであり、ウラルは今現在も電動サイドカーをすぐに製造販売する予定はないとのことです。なので・・・電動ウラルの面白さを市井の人々が体験できるのは先のことになりそうです。
果たして実際に乗ったら、どんなフィーリングが楽しめるのか? 電動ウラル市販車が具現化する日まで、こちらの動画の走行シーンを見つつ、それを妄想することを楽しみましょう。
ウラル エレクトリック プロトタイプ 主要諸元 ※2018年
モーター型式 Z-Force® 75-7パッシブ空冷式高効率ラジアル磁束式内装永久磁石ブラシレスモーター 最大出力 60hp(45kW)/5,300rpm 最大トルク 81ft-lbs (110 Nm) バッテリー ZF13.0パワーパック ZF6.5パワーパック(合計ピークパワー19.5kWh )航続距離 最大103マイル(165km)
推奨最高巡航速度 65mph(105km/h) 最高速度 88mph(140km/h)
寸法・重量 全長 91.6インチ(233cm) 全高 53.8インチ(137cm) 全幅 63.6インチ(162cm)シート高31.0インチ (79cm) 最低地上高 9.2インチ(23.4cm) 最大許容重量 1,325ポンド(600kg ) 乾燥重量 822 lbs (373kg)