2008〜2014年のホンダ時代は、合計15勝を記録!
J.レイのSBKデビューは、2008年最終戦ポルティマオでした。同年の世界スーパースポーツ選手権で3勝を記録しランキング2位となったレイは、2009年よりSBKレギュラーライダーとしてのキャリアをスタートさせることになります。
レイのSBK初勝利は2009年シーズン半ばのミサノのレース2でした。同年はドイツラウンドのレース2でも勝利し、フル参戦初年度に合計2勝をあげランキング5位となっています。2010年はアッセンでの2勝、ブルノとニュルブルクリンクでの優勝を含む4勝を記録し、ランキング4位を獲得。2011年はアッセンの1勝とイモラでのキャリア初優勝を含む合計2勝でしたが、怪我の影響で8レースを欠場したことにより、ランキング9位に終わっています。
2012年はアッセンとドニントンで合計2勝(ランキング5位)。ニュルブルクリンクでのクラッシュで大腿骨を骨折し、シーズン終盤4戦を欠場した2013年はレイにとってキャリア最悪のシーズンとなり、勝利はシルバーストーンの1勝にとどまりました(ランキング9位)。
2008年からのホンダでのキャリアの最終年・・・2014年はアッセンの1勝、イタリアの2勝、そしてポルティマオで1勝し、これまでのSBKのシーズンで最高のランキング3位を得ています。
2015〜2021年・・・カワサキで黄金期を築く
2015年シーズンよりレイはKRTに移籍し、2013年SBK王者のトム・サイクスのチームメイトとなりました。SBK王者争いから遠のいていたホンダから、当時王者争いの主役だったカワサキに移籍したことが、レイのキャリアの大きな転機になります。
KRTでの初レース(オーストラリア・レース1)で勝利をおさめたレイは、このシーズンの8戦16レース中11レースで勝利! 表彰台を逃したのはヘレスの2レースとカタールの1レースのみ・・・という圧倒的な安定感で、自身初のSBKタイトルを獲得しました。
2連覇を達成した2016年は9勝と前年より勝ち星は減りましたが、26戦中で23回の表彰台を獲得するなど、安定性の高さは磐石のものでした。2017年は26レース中16勝・・・自身2度目のシーズン二桁勝利を記録して3連覇! そして2018年には17勝、2019年には17勝をマークし、連覇記録を4、5へと更新しました。なお2019年から、SBKはレース1と2の間に超スプリント方式のスーパーポールレースを導入。1ラウンドのレース数がそれまでの2から3に変更されました。
COVID-19パンデミックの影響で、8ラウンド24レースで行われることになった2020年シーズンは、7人の異なるレースウィナーが誕生する波乱のシーズンとなりましたが、レイは11勝を記録してタイトル連覇記録を6まで更新するとともに、通算SBK勝利数を99まで伸ばし、100勝にリーチをかけた状態で2021年シーズンの開幕を待つことになりました。
偉大なる"100勝クラブ"の仲間入り! 記録はどこまで伸びるのでしょうか?
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が統括する世界選手権で、通算100勝以上を記録したグレートライダーは、イタリアの2人の英雄・・・ジャコモ・アゴスチーニとバレンティーノ・ロッシ、そして2021年SBK開幕戦アラゴン・レース1を制し、100勝を記録したばかりのレイの3人しかいません。
アゴスチーニは1965年から1976年までの11年間に、世界ロードレースGP(現MotoGP)の350ccクラスと500ccクラスで通算122勝し、両クラス合わせて15のタイトルを獲得。現役で参戦を続けるロッシは、125ccクラスで12勝、250ccクラスで14勝、そして最高峰の500ccクラスとMotoGPクラスで89勝と、21年間の活動の中で115勝と9度のタイトルを獲得しています。
SBK6連覇中のレイはこの3人の中で唯一、1つのカテゴリー・・・SBKのみで100勝に達したライダーになります。ホンダ時代の7年で15勝、カワサキ時代の7年で85勝を記録したレイは、今度自身の優勝回数記録をどれだけこうしんすることになるのでしょうか? 今シーズンのSBK最大の見どころとして、注目したいです!
SBK2021 R1 アラゴン レース1
1 J.レイ Kawasaki GBR 33'24.225
2 A.ローズ Kawasaki GBR 3.965
3 T.ラズガットリオグル Yamaha TUR 4.008
4 S.レディング Ducati GBR 4.242
5 C.デイビス Ducati GBR 4.615
6 T.サイクス BMW GBR 6.784