現地時間5月16日決勝のMotoGP第5戦フランスのMotoGPクラスは、2017年チェコGP以来となるフラッグ・トゥ・フラッグ(降雨などコースコンディションの変化にともない、異なるタイヤを装着したマシンへの乗り換えを許可)になりました! フラッグ・トゥ・フラッグ初体験となるライダーも多かったですが、波乱の展開で勝利をつかんだのは・・・?

フラッグ・トゥ・フラッグを得意とするM.マルケス(ホンダ)、一時首位に浮上しましたが・・・

フランスGP、MotoGPクラス決勝は気温17度、路面温度31度のドライコンディションでスタートしました。1周目を終えてのトップ3は、先頭から3番手スタートのジャック・ミラー(ドゥカティ)、2番手スタートのマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、そしてポールポジションのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)。フロントロースタートの3名に続いて、マルク・マルケスと中上貴晶のホンダ勢が4、5位につけていました。

レース序盤に雨が降り始め、5周目にFTF=フラッグ・トゥ・フラッグ宣言が出されることに・・・。FTFを得意とするM.マルケスはマシン交換のタイミングで5周目から首位に浮上! 右腕骨折手術の回復が万全ではないM.マルケスですが、ウェットコンディションであれば体力的にも楽で、FTF初経験のライバルも多いので経験を活かしてこのまま復帰後初優勝か・・・? と少なくない人が思ったでしょう。

画像: 一時首位を走行したM.マルケス(ホンダ)。 honda.racing

一時首位を走行したM.マルケス(ホンダ)。

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しかしM.マルケスは8周目の最終コーナーで転倒! 幸い再スタートは可能で、18位から11位までポジションを回復するほどの追い上げを見せましたが、18周目に再度転倒! 痛恨のリタイアとなってしまいました・・・。

J.ミラー(ドゥカティ)が2連勝! 

M.マルケス転倒後に首位に浮上したのは地元ライダーのF.クアルタラロでしたが、12周目以降はJ.ミラーが先頭を走ります。ミラーは僚友のフランチェスコ・バニャイアとともにピットレーン速度超過による9、10周目のダブル・ロングラップ・ペナルティを科されましたが、雨でまわりのペースが上がらないこともあって、2位の座をキープできたのです。

画像: 序盤3位でマシンを変えたアレックス・リンス(スズキ)は、ピットレーンを出た後の4コーナーで転倒。再スタートするものの、14周目の3コーナーで転倒リタイア。なお僚友の前年度王者、ジョアン・ミルも序盤に転倒リタイアに終わっています。 www.suzuki-racing.com

序盤3位でマシンを変えたアレックス・リンス(スズキ)は、ピットレーンを出た後の4コーナーで転倒。再スタートするものの、14周目の3コーナーで転倒リタイア。なお僚友の前年度王者、ジョアン・ミルも序盤に転倒リタイアに終わっています。

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画像: 前戦に続きフランスGPで優勝したJ.ミラー(ドゥカティ)。 www.ducati.com

前戦に続きフランスGPで優勝したJ.ミラー(ドゥカティ)。

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首位浮上後も冷静にリードを守って、真っ先に27周のチェッカーを受けたのはJ.ミラーでした。前戦スペインGPに続いて連勝を決めたミラーは、ランキングを4位まで上げました。2位は地元フランス人ライダーで、22周目からミラーの後ろを走ったヨハン・ザルコ(ドゥカティ)でした。

ジャック・ミラー
「2レース連続で優勝することは、僕にとっては夢のようなことだ。特に、2回のロングラップでグラベルに入ってしまったような難しいレースの後ではね。このような結果を得ることができたのは、本当に素晴らしいことです。レースはとても長く、精神的にも厳しいものでした。集中力を切らさないように、自分に言い聞かせながら走りました。このようにしてタイヤをうまく管理し、最後まで温存することができたので、終盤で接近してきたヨハン(ザルコ)に対してアドバンテージを保つことができたのです。本当に素晴らしい勝利でした!」

F.クアルタラロ(ヤマハ)、ランキング首位に浮上!

3位に入ったのは、FTF初体験のF.クアルタラロ(ヤマハ)。J.ザルコとともに表彰台に立ったことで、第2戦ドーハGPに続き今シーズン2度目の2名以上のフランス人ライダーによる表彰台登壇を果たしました。4位もFTF初体験のF.バニャイア(ドゥカティ)。予選16位という悪い位置からのスタート、そしてダブル・ロングラップ・ペナルティを受けながらも冷静に順位を上げることに成功しました。

画像: 4位でゴールしたF.バニャイア(ドゥカティ)。前戦までのランキング首位の座はF.クアルタラロ(ヤマハ)に譲ることになりましたが、クアルタラロとの差はわずか1ポイントです。 www.ducati.com

4位でゴールしたF.バニャイア(ドゥカティ)。前戦までのランキング首位の座はF.クアルタラロ(ヤマハ)に譲ることになりましたが、クアルタラロとの差はわずか1ポイントです。

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5位はドゥカティ時代の2018年2位、2019年3位、2020年1位とフランスGPで好成績を残しているダニロ・ペトルッチ(KTM)。6位はホンダ勢最上位となったM.マルケスの弟、アレックス・マルケスが入りました。

この結果、ランキング首位にはクアルタラロが浮上しましたが、2位に落ちたバニャイアとの差はわずか1ポイントです。ランキングトップ5をヤマハとドゥカティのライダーが占めていますが、この中から今年の王者が誕生することになるのでしょうか? 

まだシーズン半分を消化していないので、まだ王者予想をするのは早いかもしれませんね。次戦イタリアGPは5月30日決勝の予定です。月末のおとずれを楽しみに待ちましょう!

MotoGP2021 第5戦 フランスGP 決勝
1 J.ミラー Ducati Lenovo Team Ducati 47'25.473
2 J.ザルコ Pramac Racing Ducati 3.970
3 F.クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 14.468
4 F.バニャイア Ducati Lenovo Team Ducati 16.172
5 D.ペトルッチ Tech 3 KTM Factory Racing KTM 21.430
6 A.マルケス LCR Honda CASTROL Honda 23.509
7 中上貴晶 LCR Honda IDEMITSU Honda 30.164
8 P.エスパルガロ Repsol Honda Team Honda 35.221
9 I.レクオーナ Tech 3 KTM Factory Racing KTM 40.432
10 M.ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 40.577

motoGP2021 ランキング ※5月16日現在
1 F.クアルタラロ Yamaha 80
2 F.バニャイア Ducati 79
3 J.ザルコ Ducati 68
4 J.ミラー Ducati 64
5 M.ビニャーレス Yamaha 56
6 J.ミル Suzuki 49

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