1983年、ハーレーダビッドソンのエンジニアだったエリック・ビューエルが興した「ビューエル」は、その独創的な2輪造りから多くのファンを獲得したブランドです。2003〜2009年の間はハーレーダビッドソン傘下におさまっていたビューエルですが、2021年からは新体制の下で様々なモデルを製造販売することがアナウンスされました!

2024年までに10機種を販売する予定!

2008年の金融危機の影響で、当時ハーレーダビッドソンは所有していたビューエルブランドを手放すことを決定しました。そして2009年、ビューエルの生みの親であるE.ビューエルは、米国ウィスコンシン州にEBR(エリック・ビューエル・レーシング)を設立。2013年には、インドのヒーローがEBRの株式の49%を購入。2014年夏から、米国でのヒーロー製バイクとスクーターを販売する計画が公表されました。

しかしそれら計画が上手くいかずEBRの経営は低迷。2015年からは管財人管理下となったEBRのR&D部門はヒーローが引き取り、それ以外に残る権利はリキッド・アセット・パートナーズが引き受けることになります。2019年からは「EBRモーターサイクルズ」という新社名の下で生産が再開されますが、2020年初頭に同社は米国における「ビューエル」のブランド名の権利を所得。そして2021年からビューエルの名でバイクを製造販売し、なんと2024年までに10機種を登場させると発表しています!

新生ビューエルの2021年型モデル4機種のうちのひとつ、1190SX。水冷4ストローク72度Vツイン1190ccを搭載するストリートファイターです。

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ビューエルハンマーヘッド1190RXは、1190SX同様水冷Vツイン1190ccを搭載するスーパースポーツ。最高出力は185馬力です。なおEBRモーターサイクルズが「ビューエル」のブランド名を使えるのは米国内の話で、欧州での商標では未だハーレーダビッドソンが所有していることになっています。このあたりも今後どうなっていくのか気になります・・・。

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モータースポーツでの活躍にも期待したいです!

現在同社のウェブサイトで紹介されている2021モデル4機種のうち、1190RXと1190SXはEBR時代のリブランド版と言える機種です。なお両モデルともに、カーボンファイバー外装バージョンを選ぶことが可能です。

また、1190SXのアクセサリーパッケージとして、1190スーパーツーリングが2021年に登場する予定です。1190スーパーツーリングはビューエル初の、今流行のアドベンチャーモデルとなります。

ビューエル1190スーパーツーリングは、185馬力のVツインを搭載するアドベンチャー。なお完成車としての本格導入は、2023年を予定しています。

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なおリキッド・アセット・パートナーズのボスであるビル・メルヴィンがCEOとなったEBRモーターサイクルズは、2020年初頭のビューエルブランド取得をした後、ビューエルブランドでのモータースポーツ活動を開始しており、2020年度のAMAプロヒルクライムに参戦しています。

かつてビューエルのモータースポーツ活動と言えば、ロードレーシングが主でしたが、新生ビューエルは「未舗装路」でのモータースポーツを最初のターゲットにしている点が非常に興味深いです。

画像: 2020年10月、オハイオ州オレゴニアで行われたAMAプロヒルクライムでのショット。ゼッケン1プレートを持つローガン・チパラは、ビューエル1190HCR(ゼッケン895)を駆り見事2020年度のAMAナショナルヒルクライム王者に輝きました。 www.amaprohillclimb.com

2020年10月、オハイオ州オレゴニアで行われたAMAプロヒルクライムでのショット。ゼッケン1プレートを持つローガン・チパラは、ビューエル1190HCR(ゼッケン895)を駆り見事2020年度のAMAナショナルヒルクライム王者に輝きました。

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2020年のAMAプロヒルクライムを制したビューエル1190HCRのレプリカモデルも、ビューエルの2021年モデルのひとつとして販売されます。またこのプラットフォームを流用し、スイングアームを短くした「バハ・レース」と「バハ・アドベンチャー」というモデルも計画されており、これらのモデルの発表も楽しみです。

ヒルクライム用市販レーサー的な、ユニークな製品である2021年型ビューエル1190HCR。フレーム材にはスチールパイプを用いており、燃料抜きの装備重量は161kg !! と、かなりの軽量ぶりです。

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燃料タンクをフレーム内におさめる「フューエル・イン・フレーム」、フロントリムに大径ディスクをマウントする「ペリメター・ブレーキ・ローター」など、ユニークなメカニズムを持つビューエルが、新体制の下でどのような発展を遂げるのか・・・これからも注目したいですね!

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