"パリ-ダカ"時代、3度表彰台を獲得したレジェンド!!
ダカールラリーがアフリカで開催されていた時代を知る人であれば、1990年までヤマハライダーとして活躍したフランコ・ピコのことはご存知かと思います。
1955年、イタリアのヴィチェンツァに生まれたピコは、1976年にモトクロスのイタリア国内ジュニア250cc選手権を獲得。1978年には同500ccクラスを制しました。
1985年に初参加したパリ-ダカ2輪部門で見事3位に入ったピコは、モトクロスで鍛えたスピードで注目を集め、ヤマハのファクトリーライダーとして起用されることになりました。翌1996年は前年同様ヤマハXT600を駆り10位完走。そして1987〜1990年の間は、4位、2位、2位、5位と安定した好成績を残しています。
2021年のダカールラリーでは6度ヤマハで2輪部門を制覇し、1999年から4輪に転向したステファン・ペテランセル(フランス)が、8度目の4輪部門制覇・通算14勝を達成したことが話題になっています。つまりピコはペテランセルのヤマハファクトリーライダーの"先輩"なワケですが、4輪部門で後輩が優勝を積み上げていく一方で、ピコは2輪部門・・・ライダーとしての挑戦を今もラリーの世界で続けているのです!
2015年には、FIMのレジェンドにも選ばれた鉄人!! その活躍を見続けたいです!
ヤマハファクトリーライダーとして活躍した後のピコは、2000年、2002年は4輪部門でアフリカを走りしました。そして2009年からダカールラリーは舞台を南米大陸に移すことになりますが、2010年大会からピコはライダーとして再び参戦を再開! 2013年まで4年連続で走ったピコは、最後の年以外はすべて完走を果たしています。
2016年にピコは、クワドでダカールラリーに参加しましたが、2017年は再び2輪部門に参戦。2018〜2020年はライダーとしてアフリカ・エコ・レースを走ったピコですが、2020年からダカールラリーがサウジアラビアで開催されることになり、ピコは2021年のダカールラリーに"還る"ことを決めたのです。
「私が走り続けるのは、それが楽しいことであり、新しい場所を発見することに興味があるからです。私は砂漠が大好きでしたので、南アメリカでのダカールラリーは私をそれほど納得させませんでしたが、サウジアラビアのダカールラリーは私を楽しませ続けてくれる場所になるでしょう。(中略)また、今年も息子にバイクへの情熱を伝えようとしていまして、そのためとても訓練を受けています。この言い訳を使って、すべての自由な時はバイクでに出かけて、物理的な準備に励みました。
彼が愛したアフリカの砂漠のような楽しみを、再び味わせてくれることを期待して今年のダカールラリーに参戦したピコ。参加する部門はオリジナル・バイ・モチュールというサービスなどを自ら行うクラスで、機械いじりや古いバイクのレストアを趣味にするピコには、最適なカテゴリーでした。
長年のラリー界での活躍と貢献を評価され、2015年にはFIMのラリーレイドのレジェンドにも選出されたピコですが、今回のダカールラリー2021年大会はオリジナル・バイ・モチュール部門で11位、総合43位という成績で見事完走しました!
果たしてピコは年齢を示す"66番"をつけて、来年のダカールラリーにも参加するのでしょうか? いちファンとしてはぜひ、鉄人ピコが挑戦を続けてくれることに期待したいです!