開催期間は2021年1月3日から1月15日まで!!
石油依存の経済体制からの脱却・・・というサウジアラビアの国家戦略である「サウジ・ビジョン2030」の影響を背景に、舞台を移したダカールラリーも来年新春で中東開催2回目を迎えることになります。
初開催となった昨年のルートは、首都リャドに次ぐ紅海近くの大都市ジッダをスタートとし、紅海沿いを北上してIT都市のネオムを経て、首都リャド、ワディ・アド・ダワシル、そしてゴールとなるギッディーヤを目指す設定になっていました。
2021年大会は、1月3日にジッダをスタート、紅海沿いに北上した後に東へ向かい、1月9日にハーイルでレストデイを迎えます。その後は南下してスタート地点でもあるジッダで1月15日にゴールするという、サウジアラビア内を1周するループルートになっているのが特徴です。
2/4輪でダカールラリーなどで活躍した後、ダカールラリーのディレクターに就任したデビッド・キャステラによると、2020年度に使った道や砂丘は2021年のコースには使わないとのことで、2020年度より多様な地形を用いた技術的なコースになるそうです。
より"安全な"ダカールラリーを目指す!!
またキャステラは、高速セクションが少なくなることにも言及していますが、これは"高速化"により危険度が増していると言われるダカールラリーを、"スピードダウン"させることを意図によるものです。そしてコーススタイルの変更とともに、純粋のスピードを競い合うことからナビゲーション能力に焦点を当てるようにすることにも、キャステラは触れています。
ロードブックは、その日の10分前に配布。なおこのロードブックは、特定のカテゴリでは紙のロードブックより信頼性の高いデジタル版を配布・・・。そのロードブックには、競技の安全性を高めるために危険ゾーンが強調表示されており、難易度2および3ゾーンへアプローチする際には、競技者たちにはアラート音による警告が伝えられるとのことです。さらに特に危険な区間は、90km/h制限の「低速ゾーン」として規定・・・安全確保への徹底ぶりがうかがえます。
2020年度は、かつてホンダライダーとしても活躍したパウロ・ゴンザルベスが第7ステージでの事故により死亡するという悲劇がありましたが、2021年度はすべての競技者が無事にゴールすることを願いたいですね・・・。
2021年大会の顔ぶれはどうなるのか・・・!? 注目しましょう!!
そのほか2021年大会の2輪部門に関する注目すべき新ルールには、ラリー全体でリアタイヤ6本までというタイヤ制限の導入、そしてエアバッグベストの義務化などです。また数年前に導入したエンジン交換のペナルティーは2021年も適用され、2021年からは2つ目のピストン交換からタイムペナルティが課されることになります。さらに、給油ステーションでライダーがバイク整備することも許されなくなるとのことです。
2020年大会は、ワークス参戦再開してから初めて、HRCがダカールラリー勝利を記録しました。ホンダとしては、それまで18連勝していたKTM勢に一矢を報いた形ですが、はたして2021年大会の勢力図は一体どうなるのでしょうか・・・?
世界的なCOVID-19感染拡大の影響で、各メーカーのモータースポーツ活動はいろいろ見直しを余儀なくされることも予想されますが・・・。まぁ今月半ばの15日からは2021年のダカールラリーのエントリーが開始されますし、9月20日からはFIMクロスカントリーラリー世界選手権が、カザフスタンで2020年のシリーズ初戦として開催される予定になっています。やがて2021年のダカールラリーに参加する競技者の顔ぶれは明らかになるでしょうから、その時まで楽しみに発表を待ちましょう!