"おそロシア"という幻想?
ネット界隈では、"おそロシア"という言い回しを見ることがあります。これはプーチン大統領の強そうで怖そうなイメージや、旧ソ連時代の得体の知れない大国のイメージなどから、生まれた言葉ではないでしょうか?
しかしこれは、面白おかしくロシアを語るために乱用された言葉で、必要以上にロシア=恐ろしいという負のイメージを定着させてしまった観もあると思いました。当連載part.3にご登場いただいた、日本からロシアへの四駆旅を楽しむ江頭廣一さんと谷宣夫さんに言わせると、過去の数度のロシア旅での経験から導き出されるロシア人の印象は、「優しくて親切」に尽きるとのことでした。
親切に道に迷った異国の旅人の道案内をしてくれる・・・、物盗りなどに遭ったことはない・・・、英語が話せず会話が難しくても、一所懸命に伝わるように説明してくれる・・・などなど、江頭さんと谷さんが語るのは、多くのロシア人の「人の良さ」でした。
確かに・・・男の人はムスッとしたコワイ表情の方が多い気もしますが(笑)、ちょっと話(※互いに言葉がわからないので、基本通じてないカンジですけど)をすれば、途端に人なつこい笑顔を見せてくれます。
8月8日の"大移動"は、日本語が話せるウラルジャパンCEOのブラドさん、英語が堪能なツアーガイドのセルゲイさんも同行できなかったので、ソーニャさん、カメラマンのアントンさん、そしてサポートカー運転手のサーシャさんという、英語をあまり話さない3人が、ロシア語が話せない我々日本人勢の世話役になってくれました。
そんなワケで、意思の疎通はカタコト英語と身振り手振りでしたが、それでもなんとかなるものですね(笑)。ウラル・ロシア・ライド主催者であるブラドさんはいろいろ心配していたみたいですけど、ロシア人3人・日本人4人で楽しく道中を過ごしました!
ウラジオストクから約130kmの町、バラバシュのカフェでの朝食&休憩を終え、再び路上に出て行く2台のウラルサイドカー。ここまでの道のりで、ウラルサイドカーに対してクラクションが盛んに対向車や追い抜き車たちから鳴らされました。当初は、"煽られている・・・おそロシア・・・? "と思ったのですが、ドライバーたちのお顔はいずれもニッコニコ・・・。その破顔ぶりからクラクションの意味が、ウラルサイドカーで旅する2人への"エール"ということがわかりました。
でも・・・主要幹線を外れると、おそロシアでした(笑)
A189から、スハノフカという町のあたりで海向きに進路を変更。対面通行片側一車線の、細い田舎道を走ることになりました。そして夏はビーチリゾートを楽しむ人々で賑わう、アンドレエフカの町に近くところで、道の表面は舗装からダートへと変わりました・・・。
およそ9kmくらい・・・今日の目的地のヴィチャジまではずっとオフロード走行が続きます・・・。「軽いオフロード走行あり・・・と聞いていたのですが、こんな悪路を走るとは・・・」と神奈川県横浜市から参加の堀田さんは、某芸能人氏のごとく"聞いてないよ〜"状態? ウラルジャパンのスタッフの堀内さんも、「いやぁ、ここまで本格的なオフロード走行は経験ないので、結構シンドイですね〜」と疲労困憊の様子・・・。
「まぁ、雨が上がって、晴れているだけ良かったですね」と労うと、堀内さんも堀田さんも「そういえば、ブラドさんがいないと雨降ってないですね! 前からブラドさん、雨男説があるんですよ!」と声を合わせました。そして同行の奥村カメラマンも「第1回北海道ライドのときも、ずっと雨だったですね。ブラドさん雨男説、かなり確定かもしれませんよ?」と同調する始末・・・。
沿海地方の夏の日没は20:30ころ・・・16時頃に食べた昼食の後はまだまだ時間があります。そこでソーニャさんとアントンさんから、"海に行こう!"と提案がありました。日本人4人は、「そうだね! ブラドさんが到着するとここも雨降りになるから、今のうちに海で泳ごう!」と意思統一。計6人で海に向かうことになったのです・・・ブラドさん、雨男ネタにしてごめんなさい(苦笑)。(続く)
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