感じるすべてが『バイク』でしかない。
ゴールドウイングを個人的に既存カテゴリに当てはめたくない気持ちになる最大の理由は、その走りにあります。
ライディングモードを「エコノ」にして走れば、アメリカンV8のような豊かさで滑るように走りますが、「スポーツ」にすると、その瞬間に別のバイクに豹変します。
大質量を前後連動ブレーキで一気に減速させ、必要なぶんだけ車体を寝かせる。
巨体から想像もできないほど軽々と深くバンク。そして、その状態でギャップを踏んでも、ビクともしない安定感に包まれながらスロットルオン!
瞬間、意識的に強くニーグリップして前に伏せる。
でないと、あっさり上体が置いていかれます。
加速に耐えて、後輪に荷重を乗せてパワーを開放。
そして一気にコーナーから脱出する!
なんて豪快!?
フィーリングがどこまでも、紛れも無くスポーツです。
この快感は絶対的にバイクでしか味わえない。
最高に気持ちが高揚する。
クルマにはない、バイクを操る悦びに溢れています。
ツーリングが最高なんて、当たり前
ところでゴールドウイングは1833ccも排気量があるのに、時速50~60kmでのんびり一般道を流すことも、すごく気持ちいいバイクです。
まったくライダーを急かさない。
ある意味、世界で最もゆっくり、のんびり走れる大排気量バイクでもあるんです。
たくさんの荷物を積んで、遥か彼方への旅に出るのなんて得意中の得意分野。
タンデムで3泊4日の旅を想定した積載容量を備えています。
ダンパー付きのサイドケースは、小さなボタンに軽く触れると、静かに滑らかにスウッと開きます。
呆れることにフタの開きかたまでもが上質に作りこまれているんですよ。
そしてスタイルを崩さない短めのウインドスクリーンは電動で高さを調整可能。
最上段に持っていけば高速道路の走行風もきちんとカットしてくれます。相当、風洞実験も重ねられているに違いありません。
驚くのは、スクリーン最上段のままでメインスイッチをOFFにすると、いちばん低い状態まで自動で格納されることです。
ここ、大好き!
なんだかデザイナーの美学が感じられます。
座面の広いシートの座り心地も不思議です。
柔らかくフカフカではありません。むしろハリがあって固めに感じる。
でも包まれるような快適さがあって、超距離でも疲れることを知りません。
さらにオーディオ完備! 普通にUSBやBluetoothで音楽プレイヤーを接続することもできます。
でも、できればiPhoneをApple Car Playで連動させてほしい。
ナビも音楽も何でもあり。今、考えられる最高のユーティリティが手に入ります。
このバイクを買ったら、それが理由でiPhoneに買い換えるしかありません。
グローブをしたままの操作性も考え尽くされています。
こういう部分でもバイクとして、ゴールドウイングは規格外の存在だと言えると思います。
言ってしまうと、ゴールドウイングにとってツーリングが快適なんていうのは前提条件みたいなものなんです。
快適なんて当たり前のこと。それ以上でなければゴールドウイングである理由がない。
圧倒的な高みを目指す。
まずもって『志』が全然違うんです。
日本が世界に誇るべき傑作
ホンダが、じゃありません。
日本のメーカーが作るバイクとして、ボクたち日本のライダーが世界に誇るべき存在。
それがゴールドウイングだとボクは考えます。
他のどこにもない上質な味わいと、荒ぶるスポーティな走りの混在は、これに跨るすべてのライダーを感動させるに違いありません。
旅ライダーは当然のこと、クラシックバイク愛好家でも、スーパースポーツ先鋭派でも、バイク乗りならみんな、次元の違う完成度に驚いて、一瞬で虜になる。
ゴールドウイングはホンダの最高峰であり、日本のバイクの最高峰なんです。
おいそれと手が出る金額じゃない高級車ですし、縁遠い存在に感じるかもしれません。
それでもいいから、心の片隅に留めておいてください。
大袈裟かもしれませんが『人生を変えるバイク』なんていうものがあるとしたら、ゴールドウイングは間違いなくそのひとつ。
世界最大のバイクメーカーHondaの最高峰。
これが、ニッポンのバイクの頂点です!
《足着き性&ライディングポジションは?》
もしも乗れるチャンスを見つけたら……
メーカーの試乗会でもいいし、各種モーターサイクルショーでもいい。
もしも、ゴールドウイングに乗れるチャンスがあったら、尻込みせずに絶対に体感してみて欲しいと心から願います!